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配信日:2021/04/19  カテゴリ[厚労省・介護保険]  閲覧数[4857]

居宅介護支援、自己負担を導入すべき?賛成、反対意見まとめ

15日の財務省の審議会で改めて俎上に載せられたケアプランの有料化 ? 。居宅介護支援のケアマネジメントでも自己負担を徴収し始めることを意味するが、これは長いあいだ論じられてきた大きな争点の1つだ。【鈴木啓純】

主な反対意見、賛成意見にはどんなものがあるのか? 厚生労働省が2019年末にまとめた審議会の報告書をもとに改めて整理した。

■ 反対の意見

○ あらゆる利用者が公平にケアマネジメントを活用し、自立した日常生活の実現につながる支援が受けられるよう現行制度を堅持すべき。

○ 利用する側が受ける不利益について十分に議論すべき。気兼ねなく相談できる環境を確保すべき。

○ 介護保険制度を初めて利用する人にとっては、ケアマネジャーのサポートがないとサービス利用につながりにくい。利用者負担を導入すれば、サービスの利用抑制が生じる危険性がある。

○ 有料だからとサービス利用をやめてしまう人が出る。

○ ケアマネジメントにより自立支援の調整が図られてきており、今後、単身世帯の増加や年金水準の低下も懸念されるなかでは、相談支援でインフォーマルサービスにつなげることも重要となる。

○ ケアマネは保険者の代理人、市町村の代わりを担う立場とも言え、利用者負担を求めることになじむのか疑問。

○ ケアマネジメントは過剰サービスを抑制する役割を担うが、利用者負担を導入すると、利用者の意向を反映すべきとの圧力が高まり、給付費の増加につながる。

○ 利用者や家族の言いなりにならないか、セルフケアプランが増加し自立につながらないケアプランとならないか、などの課題がある。

■ 賛成の意見

○ 保険料の高騰により企業や現役世代の負担は限界に達している。制度の持続可能性を確保するために見直すべき。

○ 能力のある人には負担して頂くことも重要。

○ 利用者負担を導入すれば給付費の適正化につながる。低所得者への対応は高額介護サービス費で対処すべき。

○ ケアマネの処遇改善を図るのであれば、財源確保のために利用者負担を導入すべき

○ ケアマネの専門性を評価する意味で利用者負担を求めるべき。家族・利用者にケアマネジメントへのコスト意識を持ってもらうため、一定の負担は必要。

○ 利用者の意向を反映するべきとの圧力については、ケアマネの専門性の向上やケアマネジメントの標準化などで対応すべき。各サービスには定率の利用者負担があるので、給付費の増加には直結しない。

○ 施設給付にはケアマネジメントが包含されており、均衡を図るべき。

○ 制度創設から20年が経ち、サービス利用も定着するなかで、他のサービスでは利用者負担があることを踏まえ、見直しを実施すべき。

現行、居宅のケアマネジメントは10割給付。これを見直すべきか否かは、2024年度の次の制度改正をめぐる議論でも重要な論点となる見通しだ。