介護職員の処遇改善で期中改定へ 来年度から報酬の一部を引き上げ 政府調整


《 自民「政調全体会議」 28日 》

介護職員の賃金を平均で1万円程度改善するため、政府は来年度に介護報酬の一部を引き上げる方向で調整に入った。給付費の伸びに対応できるよう、都道府県ごとに設けている「財政安定化基金(*)」を特例として積み増す。必要な経費は来年度の当初予算に計上する考えだ。

*財政安定化基金

当初の見込みを上回る支出の伸びなどがあり、市町村の介護保険の財政が急に赤字となってしまう場合に、資金の交付・貸し付けにより支えるためのお金。原資は国、都道府県、市町村が3分の1ずつ拠出する。

政府は28日、基金の積み増しを含んだ経済対策の案を自民党の「政調全体会議」に提示。大筋で了承を得た。経済対策は来月2日にも閣議決定する予定だ。

介護職員の賃上げは、業界の深刻な人手不足を解消するための施策の一環。安倍晋三首相が今年4月に打ち出し、6月に閣議決定した「ニッポン1億総活躍プラン」に盛り込んでいた。経済対策の案には、「介護保険制度の下で、月額平均1万円相当の改善を2017年度から遺漏なく実施する」と明記している。

介護保険の見直しは3年に1度のサイクルで、次のタイミングは2018年度。基金から費用を補填すれば、「期中改定」で出費が増えても来年度は保険料を上げなくて済み、再来年度に他の改革と合わせて対応できる。賃上げの具体的な手法は、これから厚生労働省の審議会などで検討されていく。政府はすでに、経験の長さや職務などに応じて一定の差がつくようにしたい意向を示しており、キャリアアップの仕組みのあり方も論点となりそうだ。

経済対策の案にはこのほか、現場を離れた介護職員の復帰を後押しする「再就職準備金」の拡充や、介護ロボット・ICTを導入する事業所への支援の強化、書類の半減に向けた取り組みの推進といったメニューが並んだ。また、低所得者などに現金を配る「簡素な給付措置」の延長も新たに加えられた。

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