【無資格医療行為】京都府・丹波保健所が「丹後園」元職員告発を2ヵ月放置

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京丹後市内の社会福祉法人丹後福祉会(草本修明理事長)が運営する特別養護老人ホーム丹後園(山下徹総施設長、同市網野町木津225-2)において、介護職員が無資格で血糖値測定をしていたことが判明した。京都府健康福祉部介護・地域福祉課は10月22日、同法人に対して厳重注意とともに改善指導をおこなった。

また、元職員から内部告発をうけた保健所が、約2ヵ月間調査されずに放置していたことについて「不適切な対応だった」との謝罪コメントを発表した。

府によると、今年7月11日、ホーム元職員から府丹後保健所に「介護職員がやってはいけない血糖値測定やインスリン投与を上司から命じられていた」などとの情報提供があった。同保健所では、この元職員が労働災害申請中だったため、同申請調査の妨げになる可能性を考慮して医師法違反事実についての確認など一切せず、9月19日になって京丹後市職員から指摘があるまで元職員への聞き取り調査すら実施していなかった。府に違法がどうかを保健所側が問い合わせたのも9月24日になってからだという。

調査着手の遅れについて府は「元職員の労災認定の妨げになる可能性があるとの判断が保健所側にあった。しかし労災と医師法違反とは別の観点の問題で、すぐに状況確認をすべきだった。違法性の確認も怠った保健所の今回の判断は誤りであり、深く反省したい」などとした。同保健所に対しては口頭で注意をしたとされる。

府が明らかにした調査内容によると、医師法により医師や看護師以外には認められていない医療行為である血糖値測定を同ホーム職員が行ったことを2008年10月から2009年1月にかけて計3回確認。看護記録には「ケアワーカーが血糖値測定をした」などとの記載もあった。いずれも看護師が不在の時間帯に集中していたという。

医療行為である血糖値測定やインスリン注射は、誰が行ったのかを明らかにしておく必要があるが、2008年5月から2014年9月までの糖尿病患者11人に対する記録243件のうち、174件は誰が行ったものか分からなくなっていた。そのため、介護職員が常習的にインスリン投与していたかどうかは確認できないが、元職員は「上司の命令でおこない、同僚の介護職員といっしょに注射の講習も受けた」などと証言している。

医療無資格者による血糖値測定やインスリン投与は厚生労働省の通知により認められていない行為だが、当時はその認識が広がっていない実態もあり、丹後園の山下徹総施設長は「通知に関して当時は認識不足だった」とする。ただ2010年に別の医療行為の禁止に関する通知を受けて業務を見直し、それ以後は改善したと釈明した。

府では、同ホームにおける介護職員による医療行為の実態について今後とも調査を継続する方針。府丹後保健所でも「利用者にきちんと対応できる態勢づくりを各法人がとれるよう、適切な医療行為についての説明会を近く開催する予定」とした。

(ASTRA医療福祉研究グループ)

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