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配信日:2018/11/07  カテゴリ[介護報酬改定]  閲覧数[2060]

= WAM:今年度改定の影響調査 =通所介護の「ADL維持等加算」、約2割の事業所が対応 規模による違いも

4月の介護報酬改定で通所介護に新設されたアウトカム評価「ADL維持等加算」―。

福祉医療機構が5日に公表した社会福祉法人などへのアンケート調査の結果によると、実際に算定している事業所はまだ1.1%にとどまっているという。ただし、「今年度内の算定を予定」が2.6%、「来年度からの算定を予定」が15.4%。これらを足すと19.1%となり、およそ2割が既に取り組みを始めている状況がみて取れる。

平成30年度介護報酬改定の影響に関するアンケート調査の結果について

このアンケート調査は福祉医療機構の貸付先が対象。今年7月にインターネットを通じて行われた。回答したのは1298法人で、このうち90.0%の1168法人は社福。

通所介護の「ADL維持等加算」は、自立支援・重度化防止に向けた取り組みを促す新たなインセンティブ。1年間の評価期間の中で、利用者のADLを維持・改善させた度合いが一定のレベルを超えている事業所が、その後1年間にわたり報酬を上乗せできる仕組みだ。ADLは「Barthel Index」ではかる。報酬の上乗せは利用者1人あたり最大で6単位。

「算定要件が多く取りづらい」「単価が安い」。現場の関係者からはそうした不満の声が出ている。ただし、基本報酬の引き上げによる経営の安定は今後もあまり期待できそうにない。政府は自立支援・重度化防止のインセンティブをさらに強化していく構えだ。そうした施策の方向性を勘案し、「早めに準備・対応していくのが得策」と考えている経営者も少なくない。実際にどれくらいの事業所が取り組みに着手しているのか? 業界の関心は高まっている。

小規模の約9割が「予定なし」

アンケート調査の結果によると、「2020年度以降の算定を予定」と答えた事業所が5.1%あった。「算定の予定はない」は75.9%。既に取り組みを始めた、あるいは計画しているところが概ね4分の1―。そうした状況が報告されている。

事業所の規模による違いも大きい。「算定の予定はない」と答えた割合は地域密着型が88.0%で最高。一方の大規模型は64.8%で、35.2%が前向きなスタンスをとっている。自らの体制や算定要件などを踏まえ、小規模な事業所ほど「メリットが小さい」「ハードルが高い」とみているようだ。「算定の予定はない」としたところに理由を聞くと、「コスト・手間に比べて単位数が割に合わない(53.9%)」「要件を満たすのが難しい(22.0%)」などが目立っていた。

アンケート調査ではこのほか、対前年度比で減収となった事業所が大規模型Iで61.2%、大規模型IIで81.8%にのぼることもわかった。基本報酬が引き下げられた影響が色濃く出ている。また、サービス提供時間区分が1時間ごとに細分化されたが、どの事業規模でも旧5~7時間は6~7時間へ、旧7~9時間は7~8時間への移行が大勢を占めていた。