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配信日:2017/01/11  カテゴリ[イベント・リリース]  閲覧数[2810]

老健、報酬減・人件費増でも利益率は安定 「経営努力で改定の影響を抑えた」

福祉医療機構が昨年末、2015年度の介護老人保健施設の経営状況を調査した結果を公表した。

介護報酬改定の影響を受けて、入所者ごとの収益が下がった一方で人件費は上がっている。ただし、全体の利益率は6.8%と比較的安定した水準を維持。前年度比でマイナス0.5%にとどまった。「各施設が加算の算定など様々な経営努力により減収分をカバーし、改定の影響を小さく抑えたのではないか」と分析されている。

平成27年度 介護老人保健施設の経営状況について(PDF)

この調査は、福祉医療機構が貸付を行った973の老健が対象。在宅復帰率が50%を超える「強化型」が12.1%、30%を超える「加算型」が31.0%、介護療養型が2.1%、それ以外の「従来型」が54.8%となっている。

「従来型」の経営が低迷

12月26日に公表された結果によると、入所者1人あたりの年間の収益は561万1,000円。前年度と比較すると微減で、3万2,000円だけ低下していた。基本報酬のカットが響いたが、拡充された「在宅復帰・在宅療養支援機能加算」や「サービス提供体制強化加算」の取得などにより、大幅な悪化は回避したものとみられている。

職員1人あたりの人件費は年440万8,000円で、前年度より9万6,000円上昇していた。主な要因としては、「介護職員処遇改善加算」の上積みに対応したことが指摘されている。人件費率は58.1%で1.2ポイントアップ。利益率は6.8%で0.5ポイント低くなっている。

施設のタイプごとにみると、「強化型」と「加算型」が相対的に状態が良かった。例えば「強化型」は、前年度を上回る収益を確保。赤字の施設の割合は16.0%で、2.5ポイント下がっていた。一方で、「従来型」の経営は低迷。収入が減って人件費が増えたため、赤字の割合が16.7%と2.0ポイント上がっていた。

福祉医療機構は、今後の改定も在宅復帰への努力を促す内容になる可能性が高いと予測。「従来型は加算型へ、加算型は強化型への転換を目指す必要があるのではないか」と助言した。このほか、通所の利用率が高いと利益率も高くなる傾向があるとも指摘。「赤字施設は入所利用率の維持・向上はもとより、通所利用率の向上にも注力していくことが黒字転換への一歩となる」と分析している。