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配信日:2020/01/08  カテゴリ[イベント・リリース]  閲覧数[21150]

介護事業者の倒産、昨年は過去最多111件 背景に人手不足・人件費上昇

東京商工リサーチが7日に公表したレポートによると、介護業界は引き続き非常に厳しい経営環境にある。

昨年の1年間に倒産した事業者は前年より5件多い111件。過去最多を記録した2017年と並んだ。100件を超えるのは4年連続。

深刻な人手不足、人件費の上昇、人材の確保も含めた競争の激化などが大きな要因とみられる。倒産する前に自ら廃業・撤退を決める事業者はさらに多い。地域の介護基盤が脆弱になれば、サービスを適切に受けられない“介護難民”が一段と増加する懸念がある。

今回のレポートによると、昨年の倒産は「訪問介護」が58件、デイサービスなどの「通所・短期入所」が32件、「有料老人ホーム」が11件、「その他」が10件だった。

2019年「老人福祉・介護事業」倒産状況

前年と比べると、デイサービスや有料老人ホームは減っているが訪問介護が急増。ヘルパー不足を背景に13件(28.9%)多くなっていた。厚生労働省の統計では、訪問介護の事業所数が近年少しずつ減っていく傾向にあることも確認できる。

昨年に倒産した企業のほとんどは小規模、零細規模だ。資本金1000万円未満が全体の88.3%。また、職員5人未満のところが66.7%、10人未満のところが80.2%を占めている。

負債10億円以上の大型倒産は3件だった。この中には、有料老人ホームなどを展開していた株式会社未来設計(負債53億8600万円)も含まれている。

東京商工リサーチはレポートで、「過小資本の企業ほど人手不足が深刻さを増す悪循環に陥っている」「資金力の乏しい小規模事業者の淘汰が鮮明になっている」などと分析した。

あわせて、リーダー級の介護職員の賃金を引き上げる介護報酬の加算が昨年10月に新設されたことにも言及。「人材を確保できる事業所とそうでない事業所の格差拡大も危惧される」と指摘している。