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配信日:2019/09/20  カテゴリ[厚労省・介護保険]  閲覧数[3441]

社保審・介護保険部会 介護サービスの地域差はどのように変わる?

9月13日に開催された「第81回社会保障審議会介護保険部会」では、2021年度の介護保険制度改定に合わせ、市町村・都道府県が策定する第8期介護保険事業(支援)計画の取組の方向性が議論された。
次期計画では、団塊世代が後期高齢者となり介護サービスの需要が急拡大する2025年だけでなく、生産年齢人口が減少し後期高齢者の人口の減少が予測される2040年を見据えて、各自治体は介護サービス基盤を整えていくことになる。以下では第8期介護保険事業(支援)計画の基本指針作成に関して議論されたポイントを紹介する。

地域別の介護サービス必要性の変化

厚生労働省が示した資料によれば、介護サービスの利用者数について、大都市圏を中心に2040年まで増え続ける市町村が多いものの、山間部など地方では2025年前後をピークに利用者がほぼ増加しない市町村も一定あることが見込まれている(図:保険者別の介護サービス利用者数の見込み)。

大都市圏では今後も増え続ける介護サービス需要そのものにどう対応していくか、地方部では限られた人材・資源で必要なサービスを提供していくための柔軟な体制づくりがより求められるだろう。また、都市部においては生活圏域ごとに在宅・地域密着型サービスを計画的に整備する動きや、団地内に小規模多機能居宅介護を誘致するなど、住み慣れた地域で暮らし続けることを進める取組が見られる。

一方、地方部では特別養護老人ホームの入所者数が減少したことで、施設の一部をサービス付き高齢者向け住宅に転用したり、限られた福祉資源を有効に活用するため、自治体の保健福祉課やデイサービス、診療所などを集約して医療・福祉・介護サービスを一体的に提供する動きも見られる。

このように地域の実情に寄り添った介護サービス基盤が今後どう整備されるかも、注目していくべきポイントだ。日本介護支援専門員協会副会長の濱田和則委員は「小規模な定員・複合的なサービスを提供している事業所においては、事業所ごとに人員配置基準を設定するのではなく、合算した配置基準を設定できないか?」と述べており、このような要件緩和の視点も、基盤整備を進めていく上で合わせて必要になると思われる。

高齢者施設の役割の変化

高齢者の住まいとして機能している有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅については、第7期事業計画の基本指針において「地域におけるニーズに応じて適切に供給される環境を確保する」よう求められており、都市部を中心にその数を増やしている。この内一定数は都道府県の指定を受け「特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム)」となっている。

厚生労働省が示した資料によると、特定施設入居者生活介護では要介護度3以上の入居者が約半数を占め、施設内での看取りも3割に達するなど、特別養護老人ホームに入所出来なかった利用者の受け皿として機能していることが伺える。

このような状況に対し、日本医師会常任理事の江澤和彦委員は「特定施設入居者生活介護における医療ニーズの対応強化」を提言。

また、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅については、所轄官庁への届出・登録制となっており、新規参入も含め施設の拡充が進んでいる。こういった状況を鑑み、特別養護老人ホームの総量規制も含めて今後の施設整備を効率的に進める必要性について意見があった。

担当する地域において、2025年以降の介護ニーズがどのように変化していくかを捉えることが今後のケアマネジメントにおいても重要となってきそうだ。