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配信日:2019/09/17  カテゴリ[厚労省・介護保険]  閲覧数[2454]

社保審・介護保険部会 第8期の事業計画、2040年までを展望 厚労省方針 過不足ない体制整備が課題


《 社保審・介護保険部会 13日 》

厚生労働省は13日、次の介護保険制度の改正をめぐる協議を重ねている審議会(社会保障審議会・介護保険部会)の会合で、2021年度から始まる第8期に向けて自治体が策定する事業計画のあり方を俎上に載せた。

これまでは基本的に2025年までを見据えた内容としてきたが、今後は2040年までを視野に入れたものとしていく考えを説明。介護ニーズが拡大し続けるのかそうでないのか、地域によってそれぞれ異なる状況をきめ細かく反映させることを課題として提起した。

委員からは、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、特定施設入居者生活介護などの供給量も適切に把握し、過不足のない体制の整備につなげるよう求める声が相次いだ。厚労省はこれらに対応していくための具体策を引き続き検討していく方針。

介護保険は市町村が3年ごとに定める事業計画に基づいて運営されている。また、都道府県は同じサイクルで「事業支援計画」を用意して市町村の支援を行う。こうした自治体の計画は、厚労省が提示する基本指針に則って作られている。

制度がスタートしてから19年目の現在は、第7期(2018年度~2020年度)の計画期間中。2021年度から2023年度が次の第8期となる。

事業計画の中身は多岐にわたるが、サービスの種類ごとの見込み量やかかる費用の額、見込み量を確保する方策などが1つのメインだ。2025年までにどのサービスをどれだけ整備していくか、という見通しも盛り込むことになっている。

地方ではニーズ縮小も

厚労省は13日の会合で、「今後は2025年にとどまらず、その先の2040年を展望して取り組みを進めることが必要」と説明。計画作りの基本的な考え方として、

○ 各サービスを適切に組み合わせて整備していく
○ 地域支援事業で介護予防・健康づくりを推進する
○ 地域の繋がり機能・マネジメント機能の更なる強化を図る

などを提示した。

厚労省の推計によると、首都圏や関西圏、中京圏などの都市部では2040年にかけて介護サービスの利用者数が増え続けていく市町村が多い。一方で、主に地方では様相が大きく異なる見通し。2040年より前にピークが訪れ、利用者数が減少に転じるところも少なくないと分析されている。

「当面はニーズが拡大するが、長期的にみると縮小していく地域もある。個々の特性にあった計画、無駄のない合理的な体制をいかに作っていくのか。これは大切なテーマとなる」

厚労省の担当者はそう話し、「今後さらに議論を深めていきたい」との意向を示した。

施設と住まい、バランス良く

会合ではこのほか、有料老人ホームやサ高住、特定施設などの供給量が十分に把握されないまま計画が作られている実態があるのではないか、との問題意識が共有された。

こうした施設でも入居者の重度化が進んでいる。昨年度の調査結果では、特定施設の入居者のうち要介護3以上は40.7%にのぼると報告された。厚労省の担当者はこうした現状も踏まえ、「地域の実情に応じて、特養などの施設と高齢者向けの住まいがバランス良く整備されるようにしたい」との認識を示した。