在宅介護で労力がかかることの一つに食事の用意があります。食が細い、食べられるものが限られる、となればなおさらです。そんなときに「クリミール」のような栄養補助食品が強い味方となります。「クリミール」の購入場所の一つとして、福祉用具貸与事業所(以下、介護ショップ)がありますが、まだそれほど利用されていないのが現状です。
この記事では、介護ショップや介護関連用品の流通に関わる介護卸の役割を紹介していきます。
手軽に栄養が摂れる栄養補助食品はどこで購入できる?
食欲が落ちたり、食べられる量が減ったりすると、栄養が偏ったり、必要なエネルギー量を満たすことが難しくなります。そんなときに栄養バランスがよく、1パックで200kcal摂れる「クリミール」は、味も豊富で飽きずに摂っていただけるおすすめの栄養補助食品です。
病院や施設で提供されているのを見たことのある介護者も多くいるのではないかと思います。けれども実際に購入しようとすると、一般のスーパーには並んでいません。調剤薬局や介護ショップなどがメインの販売場所となりますが、その販売場所はあまり知られていません。
介護に関する商品流通の要、介護卸
「クリミール」などの栄養補助食品が販売されている介護ショップの商品は、介護卸から購入しています。介護卸は、介護に関する品々をメーカーから介護ショップや施設などに卸している他、介護保険を利用した貸与品や商品も扱い、その品目は多種多様です。
介護卸会社は、メーカーから商品の情報提供を受け、カタログやインターネットを通じて、商品を介護ショップに販売しています。またメーカーから新しく発売された商品の情報を定期的に提供しています。新商品の説明会を行うこともあり、介護用品の流通にはなくてはならない存在です。
介護卸がさまざまなメーカーの介護関連商品を扱うことにより、保有する在庫から、異なる種別の商品や別々のメーカーの商品を少量ずつまとめて、介護ショップの要望に合わせて速やかに届けることができるようになっています。そのなかでも今、「クリミール」などの栄養補助食品や介護食品は、取り扱い量、種類ともに増加傾向にあります。
介護卸は、基本的にB to Bの企業間販売となり、そこから、介護ショップを利用するケアマネジャーなどをとおして実際の利用者に商品が届くようになっています。
実はエンドユーザーの強い味方、プロがいる介護ショップ
介護卸から購入した商品が並ぶ介護ショップの職員の多くは、福祉用具専門相談員という資格を持っています。介護ショップでは、介護保険を利用した車いすや介護ベッドのレンタル事業、ポータブルトイレなど販売福祉用具の取り扱いを行っており、福祉用具専門相談員は、それらを扱う資格です。当然、介護に関する知識が豊富であり、「クリミール」などの介護保険外の取り扱い商品についても精通しています。
介護ショップの職員は居宅支援事業所に商品掲載カタログを持参し商品を説明し、ケアマネジャーが自身の担当している利用者にあったものを選べるように相談を受けることもあります。
介護のある生活を整えるサポートする介護ショップ
ケアマネジャーからの依頼品を利用者に届ける際は、介護ショップの職員が直接届けます。資格をもっている職員が届けることによって、組み立てが必要な商品は家族と梱包を解いたり、商品に関する説明をします。介護用品の購入方法としては通信販売もありますが、介護ショップで購入することで、届いた介護用品についてフォローしてもらえることが、大きな利点のひとつです。
また、介護ショップの職員は商品を届けるだけでなく、今そのご家族に必要なもの、合うものの提案を心がけています。介護を一生懸命されているご家族の負担を少しでも軽減するために、食事に関する提案をすることも増えているそうです。例えば、商品のサンプルを届けることで複数商品の味を比べてもらったりします。中でも「クリミール」などの栄養補助食品は、手軽に栄養が摂れるため紹介すると喜ばれるそうです。
このように、介護ショップでは商品のカタログを一緒に届け、必要そうなものを紹介してくれたり、相談に乗ってくれたりする、いわば“介護のある生活を支えるサポート、メンテナンスをお願いできるところ“と言えるでしょう。
ケアマネジャーに寄せられる期待
メーカー、介護卸、介護ショップをとおし、介護生活を助ける品々がたくさん流通していますが、一般の利用者の手に届けるために、ケアマネジャーに多くに期待が寄せられています。
介護用品を必要としている利用者が頼りにしているのが、介護に関して何でも相談できるケアマネジャーです。一方で、介護ショップにおいても利用者との接点を強く持つケアマネジャーが頼りです。つまり、ケアマネジャーはものを提供する側とされる側、双方をつなげる大事なかけ橋なのです。
在宅介護にかかる作業はとても煩雑で、必要なことだけでもたくさんありますが、「ここの利用者にクリミールを提案してみよう…あの商品があると生活の利便性があがるかもしれない…。」などと思いついた際には、利用者が気軽に介護関連商品を相談・購入できる介護ショップのことを伝えてみるのはいかがでしょうか?
<取材協力 50音順>
・株式会社ウェルファン:(発刊カタログ:福祉用具便利帖)
・株式会社ケアマックスコーポレーション:(発刊カタログ:介援隊)
・豊通オールライフ:(発刊カタログ:ALL LIFE)
・ダスキンヘルスレント(https://healthrent.duskin.jp/)
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