【介護報酬改定2019】特定処遇改善加算、実務ルール固まる 計画書の様式は年度内に


《 社保審・介護給付費分科会 13日 》

まだ漠然としている要素も残されてはいるが、徐々にディテールが明らかになりつつある。

今年10月の介護報酬改定に向けて協議を進めている厚生労働省は13日の審議会で、各サービスの基本報酬や加算の単位数、その算定要件などを規定している告示の見直し案を公表した。

第168回社会保障審議会介護給付費分科会資料

既にパブリックコメントの手続きに入っており、今年度内にも正式に決定する方針だ。ベテラン介護福祉士らの賃金を引き上げる「特定処遇改善加算」については何が書かれているのか?

体制強化加算は最上区分のみ

まずは算定要件。厚労省は昨年末、サービスごとの加算率を2段階に分けて設定する方針を打ち出していたが、より高い方の「特定処遇改善加算I」を取る方法がクリアになった。サービスによって対象は異なるが、

○ サービス提供体制強化加算(通所介護など)
○ 特定事業所加算(訪問介護など)
○ 日常生活継続支援加算(特養など)
○ 入居継続支援加算(特定施設など)

のいずれかを取得していることが求められる。ただし、サービス提供体制強化加算は最も高い区分(加算I イ)のみ。特定事業所加算も、介護福祉士の割合など従事者要件のある区分しか認められない。これらを算定していないところは「特定処遇改善加算II」となる。各サービスの加算率は以下の通りだ。

* 加算率の算定式
各サービスの勤続10年以上の介護福祉士の人数×8万円を、各サービスの費用額で割って算出している。厚労省はサービスごとのバラつきについて、「勤続10年以上の介護福祉士の人数(分子)や費用額(分母)がそれぞれ異なるため差が出る」と説明した。

実績報告書の様式も年度内に


《 社保審・介護給付費分科会 13日 》

告示案には実務上のルールも明記された。既存の「処遇改善加算」と同様だが独自のものもある。概要を以下にまとめた。

特定処遇改善加算:告示概要

○ 賃金改善に関する計画、その計画に係る実施期間・実施方法などを記載した「特定処遇改善計画書」を作成し、全ての職員に周知し、都道府県に届け出ていること
○ 特定処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善を実施すること。ただし、経営の悪化などで事業の継続が困難な場合、職員の賃金水準を見直すことはやむを得ないが、その内容について都道府県に届け出ること
○ 事業年度ごとに事業所の処遇改善に関する実績を都道府県に報告すること
○ これまでに実施した処遇改善の内容を全ての職員に周知していること
○ 処遇改善の内容についてインターネットなど適切な方法で公表していること

厚労省は今後、現場で使える計画書や実績報告書などの様式例を提示する予定。担当者はそのタイミングについて、「今年度末を目指す。できるだけ早く出せるようにしたい」と話している。

残された論点は?

厚労省はより詳細なルールや告示の解釈などを記載した通知、Q&Aを今年度末に示す。その内容をめぐり、近く審議会を改めて開催して検討を行う考えだ。

論点はいくつかある。例えば残された算定要件。「既存の処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取り組みを行っていること」を必須とするが、関係者から「実効性の高い取り組みに限定すべき」との強い要望が出ている。

このほか、「月8万円の賃上げとなる人、あるいは賃上げ後に年収が440万円を超える人を設定しなければいけない」というルールについて、例外を認める条件が俎上に載る見通し。また、事業所単位だけでなく法人単位の運用を認めるかも焦点となる。

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