インフルエンザ猛威後のリスク対処も

例年以上にインフルエンザ(季節性のA・B型)が猛威をふるっています。一般報道などでは、施設系での集団感染や入所者の死亡ケースなどが大きく取り上げられていますが、居宅系(特に通所など)でも影響が拡大しています。担当ケアマネとして、現況にどう対応するか、流行後までにらみつつどのような準備を心がければいいのかを考えます。

通所事業所の一時的な営業休止なども…

2月1日に厚労省が発表したインフルエンザの発生状況によると、2019年1月21日から27日までの「インフルエンザによって医療機関を受診した患者数」は約222.6万人(70歳以上で約18.2万人)となっています。これは同シーズンにおける過去最多の数字です。

この大流行の中、通所系事業所の一時的な営業休止なども目立ってきました。訪問系でも従事者が罹患して業務に就けなくなり、従事者不足から訪問回数を減らしたり、中止するといったケースが一部で生じています。居宅介護全般で大きな影響が生じつつあるわけです。担当ケアマネとしても、サービス休止中のモニタリング強化や、影響が長期化した場合のケアプランの見直しといった対応に追われるケースも多いのではないでしょうか。

たとえ「今は業務に支障なし」という事業所であっても、直近で「リスクが高まらないかどうか」をチェックしておくことが必要でしょう。全利用者が予防接種を受けているというケースでも、発症割合は抑えられてもゼロにできるわけではありません。

各事業者の対処ルールなどもチェックを

通所系事業所であれば、利用者に一定の症状(発熱など)が見られた場合に、本人・家族から「必ず申告してもらった」うえで「利用を中止してもらう」といった取り決めが明確になされているかどうか。熱が下がってから、どれくらいの日数で利用再開とするのかも、医療機関や保健所などと相談しながらルール化を図っているかが問われます。

こうした体制確認を行なうとともに、現在どれくらいの利用者が「通所等を中止しているか」を把握します。それによって、「直近で営業休止もありえる」と判断される事業所の利用者・家族との間で、「休止となった場合の対応」等を協議したいものです。「担当利用者は元気だから問題ない」という話ではなく、もう一歩先を読んだ対処が求められます。

過去のシーズンの患者数推移を見ると、いったんピークを迎えてから「高止まり」したり「もう1回ピークが来る」という傾向もみられます(A型の後にB型の感染にいたるというケースがあることも一因のようです)。仮に、担当利用者が罹患した後に「改善した」としても注意を怠らないようにしましょう。

猛威が去った後に高まるリスクにも注意を

さて、今年のような過去最高レベルの流行となり、サービスの利用中止や事業所の営業休止に遭遇する可能性も高まってくると、「インフルエンザの猛威が去った後」の対応も重要になってきます。たとえば、サービス利用の休止によって機能訓練等が途絶えて運動機能や筋力が衰えたり、生活サイクルに影響がおよぶことがあるからです。また、サービスの休止によっては、一時的に家族の介護負担が増すこともあります。同居家族も高齢であったり、仕事をしながらの介護負担が増えるとなれば、家族の体調不安やストレスの増大も気にかかることになります。

いずれにしても、「感染症シーズンが去った」とほっとするのではなく、本人や家族の状況をしっかりモニタリングしつつ、ここからプランの見直しなどを図る必要もあるでしょう。家族の疲労が高まっている様子であれば、春先からの短期入所系サービスなどの活用手配などを意識的に行なうことも不可欠です。

このあたりは、昨年の猛暑時に熱中症が問題になった状況とよく似ています。「その後」に利用者の状態悪化や意欲低下が生じたり、家族の体調が悪化するなど、水面下のリスクが頭をもたげてくることを想定したいものです。もちろん、こうしたリスクの中には、従事者側の疲労が事後的にピークに達することや、サービス事業者の営業休止や稼働率の悪化によって、サービス資源の経営悪化というリスクも含まれることになります。

こうした点を考えたとき、国レベルとしては、予後的なリスクを想定した制度上の支援も求められます。インフルエンザの流行がひと段落した後に、国として現場従事者の健康・ストレス状況やサービス事業者の経営状況にかかる臨時調査を行ない、補正予算等で何らかの手当てを行なうことも考えるべきでしょう。患者数の推移の枠外で「何が起きているか」に目を凝らすことが欠かせません。

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