救急搬送者の約5割は軽症、利用適正化進まず 総務省消防庁

平成30年版 救急・救助の現況(1/11)《総務省消防庁》

今回のポイント
●総務省消防庁がこのほど公表した「平成30年版(2018年版)救急・救助の現況」によると、17年の1年間に救急自動車が出動した件数と搬送人員数は、ともに過去最多となったことがわかった。
○搬送された人の約5割は入院の必要のない軽症者。その構成比は前年から横ばいで、救急自動車の利用適正化が進んでいない現状が明らかに。
○一般市民がAEDを使用して除細動を行った心肺機能停止傷病者は1,260人で、そのうち1カ月後生存者は674人(構成比53.5%)、1カ月後社会復帰者数は576人(45.7%)だった。

総務省消防庁がこのほど公表した「平成30年版(2018年版)救急・救助の現況」によると、17年の1年間に救急自動車が出動した件数と搬送人員数は、ともに過去最多となったことがわかった。搬送された人の約5割を入院の必要のない軽症者が占め、救急自動車の利用適正化が依然として進んでいない現状が浮き彫りになった(p1参照)(p3参照)。

17年の救急自動車による救急出動件数は634万2,147件(前年比2.1%増)、搬送人員は573万6,086人(2.0%増)で、いずれも過去最多を更新。救急自動車が5.0秒に1回の頻度で出動し、国民の22人に1人が搬送された計算になる(p1参照)(p3参照)。

搬送人員の事故種別で最も多かったのは、急病(368万6,438件・構成比64.3%)、次いで一般負傷(88万3,375件・15.4%)、交通事故(46万6,043件・8.1%)など。このうち急病と一般負傷は増加傾向にあるが、交通事故は減少が続いている(p5参照)。年齢区分別内訳は、高齢者337万1,161人(構成比58.8%)、成人188万3,865人(32.8%)、乳幼児26万5,257人(4.6%)。なかでも人口の高齢化を背景とした高齢搬送者の増加が目立ち、搬送人員全体に対する構成比は07年の46.5%から、直近10年間で12.3ポイント上昇した(p6参照)。

搬送者の48.6%は軽症、構成比は前年から横ばいで改善みられず

搬送人員の傷病程度では、軽症(外来診療)が278万5,158人、全体に占める割合は48.6%で、前年の49.3%からほとんど改善がみられなかった。中等症(入院診療)は238万7,407人(構成比41.6%)、重症(長期入院)は48万2,685人(8.4%)(p7参照)。入電から救急自動車が現場に到着するまでの時間(現場到着所要時間)の全国平均は8.6分(前年比0.1分増)、入電から医師に引き継ぐまでの時間(病院収容所要時間)は39.3分(増減なし)だった(p8参照)。

一般市民がAEDを使用して除細動を行った心肺機能停止傷病者は1,260人で、そのうち1カ月後生存者は674人(構成比53.5%)、1カ月後社会復帰者は576人(45.7%)。一般市民が心肺蘇生を行わなかった傷病者と比べ、1カ月後生存者は約1.8倍、社会復帰者は約2.6倍多い結果となった(p9参照)。


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