糖尿病性腎症・重症化予防で保険者の取り組み紹介 厚労省調査

自覚症状のない糖尿病の重症化を防ぐために。-国民健康保険における糖尿病性腎症重症化予防の取組に関する調査-(12/28)《厚生労働省》

今回のポイント
●厚生労働省は12月28日、報告書「自覚症状のない糖尿病の重症化を防ぐために。-国民健康保険における糖尿病性腎症重症化予防の取組に関する調査-」を公表。
○医療費が高額な人工透析患者の増加は、医療保険財政の基盤を揺るがしかねない重要な問題。同省は報告書の中で人工透析の原因疾患として最も多い、糖尿病性腎症の重症化予防に取り組んでいる市区町村国保の好事例を紹介。他の保険者に参考にしてもらいたい考え。
○政府の経済財政諮問会議が昨年末に決定した「新経済・財政再生計画 改革工程表2018」では、先進・優良事例を横展開することで人工透析の原因疾患である糖尿病や慢性腎臓病の予防対策を強化し、年間新規導入患者数を2028年度までに3万5,000人以下に減少させる目標が掲げられている。

厚生労働省は12月28日、糖尿病性腎症の重症化予防について、国民健康保険の保険者の取り組みや今後の課題を調査した報告書「自覚症状のない糖尿病の重症化を防ぐために。-国民健康保険における糖尿病性腎症重症化予防の取組に関する調査-」を公表した。人工透析の新規導入患者数は年々増加傾向にあり、医療費を押し上げる要因にもなっている。このため政府の経済財政諮問会議が昨年末に決定した「新経済・財政再生計画 改革工程表2018」は、先進・優良事例を横展開することで人工透析の原因疾患である糖尿病や慢性腎臓病の予防対策を強化し、年間新規導入患者数を2028年度までに3万5,000人以下に減少させる目標を掲げている。

人工透析の1人当たり医療費は月額約40万円、年間総額は1.57兆円

2017年の国民健康・栄養調査報告によると、健康診断の検査値や糖尿病の治療歴などから国内で「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性18.1%、女性10.5%に及ぶが、このうち投薬治療を受けている者は男女とも半数程度にとどまる。医療機関にかからなかったり、治療を中断してしまったりする傾向が強いのは、初期の糖尿病が自覚症状に乏しいためで、その結果、糖尿病性腎症を合併し、重症化して人工透析導入に至る事例も多い(p1参照)(p4参照)。

実際、年間の新規透析導入患者数は、生活習慣病の有病率が高い高齢者の増加に伴い、右肩上がりに増えており、2016年末時点で約3.9万人に上る。その原因疾患で最も多いのが糖尿病性腎症で、全体の約4割を占めるのが現状。厚労省保険局は、人工透析の1人当たり医療費を月約40万円、年間の医療費総額を約1.57兆円と推計しており、医療保険財政への影響も懸念される(p1参照)(p4~p5参照)。

こうした背景を踏まえ報告書は、「人工透析予防のためには、糖尿病性腎症の重症化予防が極めて重要」と指摘。市区町村国保と地元医師会などが連携して糖尿病性腎症の重症化予防を推進している好事例として、▽長野県松本市▽埼玉県(広域的取り組み)▽埼玉県所沢市▽埼玉県志木市▽東京都足立区-の取り組みを紹介した。他の保険者が参考にし、横展開につながることに期待感を示している(p1参照)(p7~p8参照)(p12~p81参照)。

また、関係者へのインタビューを通じて明らかになった課題として、▽重症化予防事業に協力してくれる医師の新規開拓▽糖尿病専門医との連携▽保健指導の内容や方針の確認、指導スキルの標準化-などを挙げた(p8~p9参照)。


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