近くて便利! 医療・介護施設内に資格学校 業界初の研修モデル、全国100ヵ所超に


《 日本総合福祉アカデミー 分校の授業風景 》

「皆さんが働いているところに“学びの場”が存在するべきなんじゃないか」

そう語るのは介護の資格学校「日本総合福祉アカデミー」を展開するガネットの藤田達也社長だ。特養や有料老人ホーム、病院などの空きスペースに「分校」を設ける業界初のモデルで注目を集めている。分校では実務者研修や初任者研修、喀痰吸引等研修、各種国家試験対策講座などを展開。介護職員のキャリアアップを後押しし、人材の確保に貢献していく仕事を大きくしようと汗をかいている。

既に分校は全国100ヵ所を超えたという。このモデルの仕組みや魅力、今後の展望などについて詳しく語ってもらった。

分校でネットワークを創造

施設内の分校を始めたきっかけは?


《 ガネット・代表取締役社長 藤田達也 》

介護の現場は全国にありますが、キャリアアップの研修や講座を総合的に受講できる資格学校は都市部まで出向く、という地域が多いですよね。介護事業者も職員も資格の取得を望んでいるのに、非常に忙しいこともあってなかなか実現しない…。ですから最も近い場所に作ろうと考えました。

効率よく通学できると?

はい。学習意欲も維持されやすいですね。未経験の方でも参加しやすい、というメリットも大きい。介護の仕事をスタートするきっかけを作れるという点でも、人手不足の解消に貢献していけると思っています。事業者も、職員も、求職者も、行政も、みんながハッピーになれる仕組みであると自負しています。

分校の教育では何を重視すべきか?

学びの場ができるとコミュニティが生まれ、地域でのつながりが作られます。そうした“ネットワークを創造する拠点としての機能”を持たせることを心がけてきました。地域包括ケアの担い手となるわけですから、ネットワークを主体的に広げていける人材を育てることにもこだわっていきたいです。

もっと教育コストを捻出する必要性を

どんな法人が取り組んでいる?

今はだいたい社会福祉法人が5割、民間企業が4割、医療法人が1割です。施設・事業所の中だけでなく、近隣で相応しい場所を紹介して頂くケースも珍しくありません。今のところ地域で中核的な役割を担う施設が主体となるケースが多いです。複数の法人が足並みをそろえ、「この地域に1校」とお声がけ頂くケースもありました。

講座の実施はすべて御社で?

我々は講義内容の設計、講師の派遣、教材・機器の確保、行政とのやり取りなど、分校の運営に必要な一連の業務を請け負います。その施設のベテラン介護福祉士さんなどに、一定のトレーニングを経て講師としてご活躍頂く仕組みも作りました。我々が登壇費をお支払いし、新たなキャリアステージへの移行やダブルワークを後押ししています。


《 ガネット・代表取締役社長 藤田達也 》

分校の受講費は誰が支払う?

施設側が受講生より多く負担するケースがほとんどです。資格取得を促進し、人材創出を後押しする上では、職員の金銭的負担感を取り除くことが非常に有効であることを、我々も施設側に繰り返し働きかけてきました。事業者がしっかりとお金を捻出し、職員が継続的にキャリアアップしていける環境、離職につながらない環境を主体的に作っていくことが、いま強く求められていると感じます。

まだそうなっていない?

他の業界では既に、職員の教育研修に大きなコストをかける企業がかなり増えています。かなり常識的な話ですが、介護業界では圧倒的に少ない…。人材不足の大きな要因の1つではないでしょうか。ここはちゃんと訴えていくべきところです。

講座の質をさらに高めていく

今後の展開は?

分校はいま全国に104ヵ所あるのですが、これを向こう3年で300ヵ所まで拡大する計画です。個々の教室で受けられる講座・講義の幅を広げたり、教育の質をさらに高めていくことが重要なミッションになるでしょう。ネットをより効果的に活かせる映像(動画)連携型eラーニングシステムへの投資も思い切って進めます。外国人が増加した際に教育機会を確保することも重要ですから、様々な動向を見ながらスピード感をもって始められるよう準備しています。

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