=社保審・介護給付費分科会= 来秋の賃上げ、事業所ごとに月8万円担保 あくまでベテラン介護職優先 厚労省


《 社保審・介護給付費分科会 12日 》

介護職員の処遇改善に向けて来年10月に創設される介護報酬の新たな加算―。ベテランにプライオリティを置く、実情に合わせた柔軟な運用も認める、といった構想が既に示されているが、実際に算定した事業所ではどのようにリソースが配分されるのか? その“配分ルール”を厚生労働省が12日に固めた。

勤続10年以上の介護福祉士など、経験・技能のある介護職員を最も重視してもらう方針。月8万円の賃上げとなる人、あるいは賃上げ後に年収が440万円を上回る人が、事業所内に必ず1人以上いなければいけない決まりとする。これを無視し、幅広いスタッフに薄く広く配る運用は認めない。

年収440万円は役職者を除く全産業の平均賃金。今の介護職員の平均賃金に8万円を足しても概ね等しい水準となる。その現場でリーダー級の活躍をする人材の賃金を、他の産業と比べて遜色ないレベルまで引き上げたい―。そうした思惑がある。

12日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で提案し、大筋で了承を得た。小規模で開設して間もないなど、やむを得ない事情によって実現が困難とする事業所には、合理的な説明を求めていく。来週にも正式に決まる見通し。

第166回社会保障審議会介護給付費分科会資料

ベテランは2倍以上に

来年10月の処遇改善は介護職員の人手不足の解消が目的。ベテランを優遇するのは、将来の生活を描きやすくしたりキャリアアップの道筋を分かりやすくしたりすることで、新規参入の増加や離職の防止につなげるためだ。

厚労省はこうした施策の趣旨が守られるよう、

1. 経験・技能のある介護職員
2. その他の介護職員
3. その他の職種
という優先順位で事業所に加算の原資を配分してもらう考えで、これを担保するルールも設ける。

具体的には、
○ “経験・技能のある介護職員”の賃上げ額の平均は、“その他の介護職員”の賃上げ額の平均の2倍以上に保つ
○ “その他の職種”の賃上げ額の平均は、“その他の介護職員”の賃上げ額の平均の2分の1を超えてはいけない
の2つ。3グループの賃上げ幅を2:1:0.5とする内容だ。

あくまでも各グループの“平均”を指標とし、個々の賃上げ額をどうするかは事業者が判断できる。このルールの範囲内であれば、有望な若手などを高く評価することも可能だ。ただ“その他の職種”の賃上げは、年収440万円を超えない範囲でしか認められない。主眼は介護職員の処遇改善にあり、そこがブレないように設計された。

何をもって“経験・技能のある介護職員”と位置づけるのかについて、厚労省は事業者に一定の裁量を与える方針。勤続10年以上の介護福祉士を基本と位置づけるが、現場の状況を勘案した柔軟な運用も容認していく。

12日の審議会ではこれらの内容も大筋で了承されている。一部の委員からは、「支給方法が難しく事務負担が増える」といった声もあがった。厚労省は今後もディテールの検討を深めていく。年度内に規定の詳細を通知できるよう準備を進めるとした。

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