技能実習、日本語要件の緩和を検討 厚労省「受け入れが進んでいない」


《 衆院・厚労委 》

昨年11月から新たにスタートした介護分野の技能実習について、厚生労働省は来日した外国人の実習生に課している日本語要件の緩和を検討していく。

現行のルールでは、入国から1年後までに日本語能力試験の「N3」レベル相当に達しなければいけない。このハードルが高く、円滑な受け入れを妨げる大きな要因になっているとの指摘が出ていた。厚労省は要件の緩和で外国人をより多く確保したい考え。ただし、サービスの質の低下や現場の負担の増大などを招く恐れもある。目下の深刻な人手不足を踏まえると妥当な施策、と言えるのか。業界の関係者の間でも意見が分かれそうだ。

新たな在留資格にも影響

「政府間の意見交換の場で、入国1年後にN3相当を取得できなかった場合の帰国のリスクについて、ベトナムやフィリピンから懸念が示された」

社会・援護局の谷内繁局長は11月30日の衆議院・厚生労働委員会でそう明かした。そのうえで、「現在も両国からの受け入れは進んでいない。入国1年後の日本語要件を満たさなかった場合も引き続き在留を可能とする仕組みを検討している」と明言。「初めて実習生が来たのは7月1日。こうした方々が円滑に2年目へ移れるように準備を進めている」と述べた。来年6月までに何らかの具体策を講じる計画だ。

これを受けた野党からは、「介護の現場で働くには日本語能力が不可欠。受け入れがうまくいかないからといって、いきなり基準を変えるのはいかがなものか」との批判があがった。

来日の際、実習生に課される日本語要件はN4相当。これを1年でN3相当まで高めないと実習は続けられない。厚労省のまとめによると、10月31日の時点で既に来日した介護の実習生は247人。「およそ200人が実際に仕事を始めている(担当者)」という。第1陣の入国が7月1日だったため、2年目に入った実習生はまだいない。

実習を3年目まで終えると、国会で審議中の新たな在留資格(特定技能)へ移行することができるようになり、日本で働ける期間は5年間延びる。厚労省は新たな在留資格の日本語要件を、3年間の技能実習で課しているレベルを踏襲して設定する方針。緩和が実現すればインパクトは大きい。

介護福祉士を取れば期限なしで滞在可能

谷内局長は30日の厚労委で、現場で研鑽を積みながら介護福祉士の資格を目指す人が求められる3年間の実務経験について、新たな在留資格や技能実習で働いた期間も「含まれる」と説明した。実務者研修を受けて実際に資格を取れば、繰り返し更新でき家族の帯同も認められる在留資格(在留資格「介護」)を得られるようにする意向を示し、「法務省で省令改正を検討している」と言明した。

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