心肺蘇生の拒否、85%の消防本部が経験 家族や介護職員らが本人の意思を伝達

状態が急変した終末期の高齢者らを救急搬送する際に、居合わせた家族や介護職員から「本人が心肺蘇生を拒否する意向を示していた」などと伝えられた―。そうした経験のある消防本部が85%にのぼることが、総務省消防庁の調査でわかった。

総務省消防庁の調査結果

何らかの形で対応方針を定めている本部は5割弱にとどまるという。地域で療養する高齢者がさらに増える今後を見据え、消防庁は有識者会議を設置。極めて重く難しい判断を迫られる現場が混乱しないよう検討を重ね、年明けをメドに報告書をまとめるとしている。

調査は全国の消防本部が対象。8月までに集まった728本部の回答を集計している。

それによると、これまでに心肺蘇生を拒否する意思を示された経験があるのは616本部。55%にあたる403本部が「昨年もあった」と答えており、その件数は少なくとも2015件にのぼるという。

本人の意思を伝えてきたのは誰か複数回答で聞いたところ、68%の「家族」が最多。このほか、「介護施設などの職員(64%)」や「医師(54%)」も多かった。本人が残していた書面を提示されたケースがあった、と答えた本部は30%だった。

心肺蘇生を拒否する意思を示された時の対応方針を「定めている」としたのは46%。対応方針で最も多かったのは、「心肺蘇生を実施しながら医療機関に搬送する」で61%だった。この対応方針を定めている理由を尋ねると、95%が「応急処置を行いながら搬送することが救急隊の責務だから」と回答。また、78%が「現場で本人の意思確認を行うのは難しいから」と答えていた。

対応方針を「定めていない」ところに理由を聞くと、「どのような方針とすべきか判断がつかないから」が74%。「国が統一的な方針を定めるべきだから」との答えも74%で最多となっている。

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