家族に迷惑をかけたくない、でも自宅で生活したい。悩みを解決するために必要なこととは?

  • コラム
  • 宮川明子
  • 17
  • 閲覧数:2,588
ニュースなどで孤独死が報じられるたび、SNSなどでは「孤独死はかわいそう」、「認知症になるくらいなら安楽死したい」などの極端なつぶやきが見られます。また、「介護疲れ」によって起きる尊属殺人では殺した側に同情が集まることが多く、いかに介護が大変かということが懸念されます。これから先、私達が自宅で年をとるために必要なことは何なのでしょうか。

施設に入るということは?

つつながなく生活をするためには、施設入所するというのも一つの手と考えられます。様々な支援を受けながら生活できるいっぽうで、入所する際の引っ越しは非常に大変です。何を持って行くか、何を捨てて行くかを決めるのは、愛着のあるものを取捨選択せねばならないため、本人にとっては辛い作業です。

引っ越しが一度で済めばいいものの、怪我や病気で入院でもすることになれば話は別です。入院、退院のたびに身の回りのことを整える苦労は、かなり大きいものです。入院すると多くの人が体力を失い、介護度も悪化します。そうすると元の施設に戻るのが難しくなったり、別の施設に移ることにもなりかねません。これはサービスを提供する側が考えるべきことですが、高齢になってからの度重なる引っ越しや住環境の整備というのは非常に重労働で精神的な負荷もかかります。またなれた場所や仲間たちとの別離もまた、どれだけ大変なことでしょう。

自宅が一番?

介護度によって住む場所を左右されず、周囲の人間関係も保てるのはやはり住み慣れた自宅です。「家族に迷惑がかからないのであれば自宅で過ごしたい」と思う人は多いでしょう。では、自宅で過ごせるようにするための介護サービスがあるとしたら。

定期的な通院のほかに看護師に日常生活を見てもらえたり、不安なときや苦しいときに駆けつけてもらえたり。そういったことが保証されていれば、安心して自宅で生活できると思います。家にいても、持病に合わせた食事を提供してもらえる通所リハビリテーションなどに通えば本人も楽しみができ、この時間が家族にとっても大切になるでしょう。

しかし、これらの介護サービスを多くの方が知りません。が、それは無理もないのです。介護に関するニュースやドキュメンタリーでも、介護保険の話は皆無といっていいほど、出てこないのですから。あるいはドラマなどでも家族介護のシーンなどが登場することがありますが、家族による介護ばかりで、サービス事業者がサービス提供しているシーンなどはまったくありません。これでは、世間の人たちが介護サービスを知らないのも当然です。多くの方は「自宅で高齢者の介護をする家族は本当に偉い。自分たちではとてもできない」と諦めてしまうのではないでしょうか。

介護には、介護のプロがいます。このことがわかれば、多くの高齢者が「自宅で過ごしたい」と遠慮なく言えるのではないでしょうか。希望通りの生活をするためにできることがあるということを、介護する側として多くの人に知ってほしいと思います。

孤独死や高齢者虐待については、ニュースなどで取り上げられることも少なくありません。そして同時に、安楽死についても話題となることが多く、「安楽死を認めるべきだ」という声もあります。しかしこうしたニュースを見ている人は、果たして介護保険について十分に理解しているのでしょうか。多くの人は介護保険についよく知らず、中には何の支援も受けられないとさえ思っている方がいます。

介護保険を知ってもらう

介護保険とは、いったいどのようなものなのか。65歳になれば誰もが受給でき、様々な介護サービスを利用できるということを、様々なメディアで伝えて欲しいと思っています。

介護保険を使っていれば、孤独死の多くが防げるのではないか、と個人的には思います。介護家族にも、今後について一緒に考えてくれる人がいるかいないかだけでも、虐待や殺人が起こるほど、追い詰められることもないのではないでしょうか。もっと介護保険を知り、高齢になっても安心して過ごせるようなサービスを提供できるようにしていきたものです。

コメント[17

コメントを見るには...

このページの先頭へ