= 厚労省委託調査 =介護福祉士国試の受験者半減、最大の要因は研修費負担 支援制度は76%が「知らない」

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介護福祉士の国家試験の受験者が大幅に減った要因は何か? 事態を好転させるためにはどんな施策が有効か?

これらを詳しく探るために厚生労働省が昨年度に実施したアンケート調査の結果がわかった。業界では「実務者研修の義務化が大きい」との見方が大勢を占めているが、それが概ね正しいことを裏付けるデータが揃っている。「研修の受講費が負担だった」との答えが最も多い一方で、国の貸付制度(*)など公的な支援の仕組みを知らない人が76.4%にのぼることも明らかになった。処遇を改善して資格の魅力を高めたり負担を軽減したりすることに加えて、貸付制度を周知・普及させることも肝要と結論づけている。

* 実務者研修受講資金貸付制度
実務者研修の受講者に最大で20万円を貸し付けるもの。研修の修了後、介護福祉士の資格をとって介護の仕事に2年以上従事すれば返済が免除される。詳しい情報は都道府県の福祉部局などで得られる。

介護福祉士の国試をめぐっては、現場で経験を積みながら資格を目指す人に最長で450時間(旧ヘルパー2級なら320時間)の実務者研修が義務付けられた2016年度以降、受験者が大幅に減少した。2015年度の15.3万人から一気に半減。直近の2017年度は9.3万人で、ピーク期の6割程度の水準にしか回復していない。

今回のアンケート調査は、厚労省が民間のシンクタンクに委託して昨年8月に実施したもの。全国8000ヵ所の介護施設・事業所と3万2000人の介護職員が対象だ。29.5%の施設・事業所、25.6%の職員から有効な回答を得たという。

それによると、介護福祉士の資格をまだ持っていない職員(全体の48.5%)のうち、「受験を目指したが途中で見送ったことがある」と答えた人が46.3%いた。その理由を尋ねると、「実務者研修の受講費用が負担だった」が52.7%で最多。以下、「実務者研修の通学による講義・演習が負担だった」が44.9%、「実務者研修の研修時間が長い」が44.0%と続いていた。

「受験を途中で見送った」年度では、2016年度が69.9%で突出して多い。2014年度は24.5%、2015年度は25.7%だった。「実務者研修の義務化によって負担感を与えることとなり、受験者数の減少に影響したと考えられる」「受験見送りに最も影響した要因は受講費の負担」。結果の総括には改めてそう明確に記載されている。

「事業所からの情報提供が不十分」

国の貸付制度などを「知っている」と答えた人は23.6%で、全体の4分の1程度にとどまっていた。76.4%は「知らない」。「知っている」とした人のうち、実際に活用したことがあるのは18.5%しかいない。貸付制度などの存在を職員に教えている施設・事業所は34.6%にとどまり、65.4%は周知していない実態も報告された。結果の総括では、「施設・事業所から職員への情報提供が十分とはいえない」と改善の必要性が指摘されている。

このほか、国試に挑戦する人を増やしていくうえで有効な対策を施設・事業所に聞いたところ、「資格手当の付与による処遇改善」が最も多かった。「実務者研修に参加するためのシフトの調整」「経営者・管理者からの個別の促し」「介護福祉士のキャリアパス上の明確な位置づけ」などの回答も目立っていた。厚労省の担当者は今回の調査結果について、「今後の検討の参考にしていく」としている。

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