消費税10%への引き上げに向けた議論を開始 介護給付費分科会1

社会保障審議会 介護給付費分科会(第160回 7/4)《厚生労働省》

社会保障審議会・介護給付費分科会は7月4日、2019年10月の消費税率引き上げに向けた議論を開始した。仕入れに伴う介護保険施設・事業者の消費税負担が過重にならないように、8%への引き上げ時と同様、基本的には介護報酬への上乗せ(介護報酬臨時改定)で対応する方向。厚生労働省は、既存の調査や秋に実施予定の関係団体からのヒアリングの結果を材料に、検討を進めることを提案した。

介護施設・事業者の売上に相当する、介護保険の居宅・施設・地域密着型の各サービスは、医療保険の診療報酬と同じく、消費税は非課税。一般的な商取引のように、売上に対する消費税から仕入れに伴う消費税を控除する「仕入税額控除」が行えないため、過去の消費税率引き上げ時には、介護施設・事業者の消費税負担増を介護報酬の引き上げで補ってきた。

2014年の5%から8%への引き上げ時には、直近の介護事業経営概況調査から割り出した各サービスの課税割合(課税費用、減価償却費の構成比)をもとに改定率を決定し、0.63%の引き上げを行った。個別報酬への配分は、基本単位数への上乗せを基本としつつ、課税割合の高い加算についても、基本単位数と同率の上乗せを実施。

このほか、▽介護報酬改定とは別建ての高額投資への対応は行わない▽介護保険施設利用時の基準費用額(食費および居住費)は据え置き▽負担限度額の見直しは行わない▽居宅介護サービスの区分支給限度基準額は、要介護度別の支給限度額と平均的な利用率を踏まえて引き上げる-こととした。

厚労省は今回もこの時の対応を踏襲する方針で、2017年度介護事業経営実態調査から、各介護サービスの課税割合や食費・居住費の平均的な費用額を把握して、介護報酬改定率や基準費用額を検討する際の基礎データとして活用することを分科会に提案。設備投資について、8%への引き上げ時には、関係団体のヒアリングと施設・事業所を対象にした調査が行われている。だが、この時の調査で、高額投資のほとんどが建物に関連したものであり、医療に比べて金額・件数が少なく、年度による変動が大きいことも明らかになったことから、今回、調査は実施せず、関係団体のヒアリングだけとする案を提示した。

同省の提案に対して委員からは、「基準費用額のうち、とくに食費は厳しい状況にあり、委託事業者の撤退も起きている。施設種別ごとの費用を出した上で、基準費用額の引き上げも検討するべき」(瀬戸雅嗣委員・全国老人福祉施設協議会理事・統括幹事)、「老人保健施設の多くは建替え時期に来ており、建替えに伴う消費税の負担が生じる。(高額投資の対応の検討に際しては)その点も考慮していただきたい」(東憲太郎委員・全国老人保健施設協会会長)といった要望があった。

なお、同省が示したスケジュールによると、関係団体のヒアリングや論点整理は9~11月、審議報告のとりまとめは12月になる予定(p18参照)。介護報酬改定率は、年末の予算編成過程に決定し、介護報酬の引き上げは消費税率引き上げと同じタイミングの2019年10月となる見通しだ。

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