高松市・老健で医師の勤務時間記録を偽造 7000万円超を返還予定

高松市は、三谷町の介護老人保健施設「さつき荘」を運営する医療法人青冥会に対し、6月22日付で行政処分を行った。処分内容は半年間の新規利用者受け入れ停止、介護報酬3割減。処分が実施される期間は7月~12月までの半年間となる。

不正請求によって受領した介護報酬額は5,640万円余りにのぼり、市は加算金を追加した7,050万円余りを変換するよう求めている。また、利用者にも600万円余りを返還するように通告している。

法人側は返還の意思を示したうえで、「利用者のみなさまにご迷惑をおかけし誠に申し訳なく思っています。今後は法人と事業所全体でコンプライアンスの遵守と運営体制の改善に取り組んでまいります」とコメントを発表している。

行政処分の理由と詳細

高松市は、介護老人保健施設に勤務する医師の勤務時間について条例で規定している。当該介護老人保健施設は、高松市が条例で規定した医師の勤務時間を満たしていないにもかかわらず、満たしているとする記録を偽造。高松市に対して介護報酬5,600万円余りを不正に請求して受領していた。

高松市の調査によると、当該施設は平成28年10月~29年8月までの間に2名の医師が勤務していたが、勤務時間の記録は医師本人ではなく、当該施設の職員が条例基準を満たすように水増しして記録していたとのこと。去年10月に高松市が監査を行って不正が明らかになった。

当該施設を運営する医療法人は、次のようにコメントを述べている。

「近所に病院があったので利用者の体調が悪い時は病院で診察を受けてもらっていた。医師がいなくても問題はなかった。としながら、認識不足であり深く反省している。今後は法人を含め、事業所全体でコンプライアンスの遵守と運営体制の改善に取り組んでいく。返還にも真摯に対応していく」

介護老人保健施設における医師の役割

高松市の条例では、介護老人保健施設への常勤医師の配置が義務付けられている。医師は利用者の健康診断や治療、薬の処方などを行うほか、利用者の健康状態を把握してリハビリテーション専門職への指示も行っている。

また、デイサービスやショートステイで施設を利用される方の健康管理、心のケアや生活習慣の改善指導など業務は多岐にわたる。病院に勤務する医師とは役割が異なっており、さまざまなサービスを提供する介護老人保健施設におけるコーディネーターとしての役割が求められている。

高松市への電話取材

高松市の介護保険課へ電話取材を行ったところ、次のような回答が担当者から得られた。

「半年間の行政処分の間も、現在利用している利用者は引き続き利用できる。ただし、当該事業者には、半年間、介護報酬3割減とする行政処分を行っているため、利用者の負担額が変更になる。利用者には費用について事業所へ確認するように通知している。また、当該事業者に対しても、利用者負担額について利用者にきちんと説明するように指導している」

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