【ケアプランAI】厚労省、初の全国調査を実施へ 有効活用に向けた方策を検討


《 厚労省 》

ケアプランの作成を支援する人工知能(AI)の有効活用に向けて、厚生労働省は今年度から全国規模の調査に乗り出す。民間の事業者による開発の動向・進捗を幅広く把握したり、実際に利用したケアマネジャーや高齢者の評価を探ったりする研究事業を初めて行う。年度内にレポートをまとめる。実用化や普及を後押しする施策をめぐる検討の材料とする考え。

ビッグデータ・AIなどのイノベーションを生かし、2025年には新しい介護システムを確立している―。政府が描いた青写真だ(未来投資戦略2017)。活発な議論は今も続けられている。経済財政諮問会議の民間議員は4月12日、自立支援の観点で効果的なケアプランを作るAIを認定する仕組みの導入を提案。自民党は4月27日に安倍首相へ出した提言の中に、「AIの活用状況・効果に関するデータを取得可能とし、次期以降の介護報酬改定での評価につなげる」と書き込んだ。

企業の取り組みも進んでいる。セントケア・ホールディングやツクイなどが出資するシーディーアイは、昨年から愛知県豊橋市と組んで実証プロジェクトを開始。ケアプランAIのプロトタイプ「MAIA(マイア)」を生み出し、今年度になって全国の15法人で試験導入を始めた。38事業所に所属する104人のケアマネにこれを使ってもらう計画。今年後半にもローンチにこぎ着けたいとしている。

「高齢者福祉のパラダイムシフトにチャレンジしていく」。そう話すのはパナソニックの担当者だ。機能訓練を重視したデイサービスなどを運営するポラリス(兵庫県宝塚市)と提携。ケアプランAIの実証を今年2月からスタートさせた。2019年度中の事業化を目指すという。

まずは現状・課題を整理

厚労省は今後、夏頃までに委託先を決定して研究事業を始める予定。まずは現状や当面の課題を整理し、この領域でAIをより有効に活用していくための手立てを思案する方針だ。民間の有識者などからは、介護報酬によるインセンティブや事業所の運営基準の見直し、一定のルールづくりの必要性を指摘する声が早くもあがっている。その是非をめぐる論争が徐々に熱を帯びていく見通しで、国が精度の高いデータをどこまで集められるかも重要な要素となっていく。

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