地域別の診療報酬設定、慎重論が大勢 社保審・医療保険部会1

社会保障審議会 医療保険部会(第111回 4/19)《厚生労働省》

厚生労働省は4月19日開催の社会保障審議会・医療保険部会に、経済財政諮問会議や財政制度等審議会などで取り上げられた医療保険制度を巡る課題について、議論のたたき台となる考え方を示した。国としての具体的活用メニューの提示を求められた、地域別の診療報酬設定では、都道府県の意見を尊重した対応に努める方針を明記。委員の意見も慎重論が大勢を占めた(p114~p136参照)。

医療費の地域差を削減するため、都道府県は6年を一期とする「医療費適正化計画」を策定し、特定健診・保健指導の実施率や後発医薬品の使用割合の向上といった医療費適正化の取り組みを行っている。地域別の診療報酬設定は、高齢者医療確保法を根拠とした制度で、同法には、都道府県は医療費適正化の目標達成に必要と認められる時は、地域別の診療報酬についての意見を国に提出できるとの規定がある。提出された意見は中央社会保険医療協議会で審議され、諮問・答申を経て実施の運びとなるが、2006年の制度化から現在にいたるまで実施例はない(p132~p134参照)。

そのため財務省は4月11日の財政審・財政制度分科会に、国が具体的活用メニューを示すことなどを提案したが、厚労省は医療費適正化の実効性をあげるには、地域の医療費の状況や課題の把握・分析と地域の関係者による議論が不可欠であり、それがない中で国がメニューを提示することは、「地域の実情に応じた取り組みにかえって枠をはめることになりかねない」と指摘。これまで同様、「医療費適正化計画の実施主体である都道府県の意見を丁寧に聴きながら対応していく」との方針を示し、多くの委員もこれに同調した(p132参照)。

自民党の委員会が提言している、医療費の著しい伸びで保険料の引き上げが必要になった際に、一定の計算式に基づいて定期的に患者負担を引き上げる仕組みについては、▽患者の受診行動や家計の実態が考慮されず、患者負担が過大になるおそれがある▽インフルエンザの流行や新薬の導入などの一時的要因による医療費の変動や、景気の変動などに応じて頻繁に患者負担が変わり、将来の医療に対する国民の安心を損ねるおそれがある-などと反論。「医療費の伸びは、その時々の社会経済情勢を踏まえつつ、診療報酬、保険料、公費、患者負担について総合的に、かつ、不断の見直しを行うことにより対応することが適切」とした(p129参照)。

このうち患者負担のあり方については、委員から「後期高齢者は給付に比べて負担が軽く、2割負担とすべき」(佐野雅宏委員・健康保険組合連合会副会長)、「年齢ではなく、負担能力に応じた負担のあり方の検討が必要」(南部美智代委員・日本労働組合総連合会副事務局長)といった意見が出た。


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