京都府の特養「安寿の里」で虐待 入所者17人に骨折や打撲痕

京都府宮津市の特別養護老人ホーム「安寿の里」(京都府宮津市由良751)を運営する「社会福祉法人 香南会」(高知県香南市赤岡町1160)で、入所者17人から骨折やあざが見つかった。京都府介護地域福祉課は、このうちの90代女性に関して介護が不適切で虐待に当たる可能性があるとして、業務改善勧告を行った。ほかの入所者に対しても虐待があった可能性があるとして、宮津市とともに調査に当たっている。

事件の詳細

業務改善勧告を受けたのは、京都府宮津市由良にある特別養護老人ホーム「安寿の里」。入所者17人から不自然と思われる打撲痕や骨折などが見つかったもの。このうちの90代女性は、2017年12月にベッドから転落したとして医療機関の診察を受けており、慢性のくも膜下出血を起こしていたほか、顔や身体に複数の打撲痕と思われるあざが見つかった。

医師から通報を受け行政が内部調査を行ったところ、本来は職員2名で介護に当たらなくてはいけないところを1名で介護を行っていたなど、複数の問題点が発覚。府は管理者・職員研修、法規の遵守など業務改善勧告を行った。

事件の発端となった90代女性は、2017年12月13日午前0時頃と午前6時頃の2回にわたってベッドから転落して怪我を負ったと見られている。看護師に連絡したのは午前7時過ぎのことで、職員による適切な介護が行われていなかった。このため、2018年2月8日に身体的な虐待や介護放棄があったとして虐待と認定。当時担当していた職員は、不適切な介護については認めているものの、虐待や暴力は行っていないと話している。

府によると、「ほかの入所者(70歳代から100歳)16人からも殴られた痕(打撲痕)が多数見つかっており、複数の職員による虐待が疑われる。立ち入り調査の後に負傷したケースもあるとして、早急な改善が求められると判断し、改善勧告に踏み切った」としている。すでに宮津市は京都府警への通報を行っており、府は警察への刑事告発も視野に入れて検討している。

運営法人である「香南会」の橋本信一理事長は、「90代女性がベッドから転落して骨折事故を起こしたことは申し訳ない」としながら「内部調査を行ったが、虐待の事実は一切出てこなかった」とコメントしている。

特別養護老人ホーム「安寿の里」

「安寿の里」は、2015年に開設された特別養護老人ホーム。入所者は要介護3~5の高齢者で、定員80名。2018年1月末時点で77名が入所している。

「安寿の里」には介護職員43名と看護職員4名、機能訓練員1名、事務員1名、介護支援専門員1名、管理栄養士1名、生活相談員1名、医師1名の合計53名の職員が在籍している。

京都府介護地域福祉課への電話取材

なお、京都府介護地域福祉課の担当者へ電話取材を行ったところ、以下のような回答が得られた。
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特別養護老人ホーム「安寿の里」を運営する「社会福祉法人 香南会」に対して、施設管理運営上の問題があるとして、改善点を指摘し1カ月以内に改善しなさいという趣旨の改善勧告を実施した。1カ月をめどに改善がみられない場合は処分を検討している。また、複数の虐待事案に関しては、現在宮津市の方で調査を行っている。調査内容の報告いかんでは、京都府警への刑事告発も検討している。
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