介護レセプトのチェックをAIで 富士通が実証 指導監督のイノベーション目指す

介護報酬のレセプトをチェックする市町村の業務を、人工知能(AI)を活用して大幅に効率化する―。富士通が13日、そうした目的の実証実験を東京都北区と共同で実施すると発表した。実用化できるタイミングの目途は示していないが、「構築した学習モデルをサービス化し、全国の自治体における社会保障給付の適正化に貢献することを目指す」としている。

東京都北区様と、AIを活用した介護保険業務の効率化に向けた実証実験を実施

施設・事業所や利用者の増加により、請求された内容を確認して適否を判断する仕事のボリュームはますます大きくなってきた。地域によって事情は異なるものの、行政が必要な指導・監督を漏れなく行うのはなかなか難しいのが実情だ。この計画はパラダイムを変える可能性を秘めている。不当な請求を見つけて是正につなげる機能が格段に強まったり、自治体の職員が他のタスクに時間を割けるようになったりするなど、現場の請求事務に大きな影響を与えるかもしれない。

実証実験では、北区のシステムに蓄積されているデータを使う。富士通のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」に、これまでの適正なレセプトと指導・監督が必要とされたレセプトの双方を機械学習させる。介護保険法や政省令、過去の行政の判断なども覚えさせ、看過すべきでない請求を自動で洗い出す分析モデルを作るという。有効性が確立されて普及すれば、一連のプロセスに多くの労力を費やす時代を終わらせるイノベーションにつながる。

介護保険の給付費は足元で既に約10兆円。2025年までにおよそ20兆円まで膨らむ見通しで、その適正化は極めて重要な課題となっている。利用者からの通報などに頼っている現状でも、不正な請求が発覚することは必ずしも珍しくない。レセプトを精査する仕組みが根本から改良されれば、悪質な施設・事業所を牽制する効果はかなり大きいとみられる。

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