「幅広い観点で議論を」 課題山積のサ高住、国交省が有識者会議を設置

《 31日の有識者会議 》

サービス付き高齢者向け住宅の健全な発展に向けた方策を話し合うため、国土交通省が1月31日に有識者会議を立ち上げた。

現状の課題を改めて整理するほか、入居先を探す高齢者・家族が適切な情報をスムーズに得られる環境づくりや、安否確認・生活相談といった付随サービスの質の向上、効率化などを俎上に載せる。中長期を見据えた議論も行う。低所得者を支える住宅のセーフティーネットや介護保険などとの関係も含め、幅広い論点を取り上げて講じるべき施策を探っていく。現時点では取りまとめの時期を定めていないが、この有識者会議の方向性が今後の改革に影響を与えそうだ。

サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会 第1回配布資料

「これだけ数が増えてくると、良いものもあればあまり良くないものもある。高齢者の住まいを今後どう整備していくべきか、幅広い観点で議論してもらいたい」

国交省の担当者はそう要請した。座長を務める高齢者住宅財団の高橋紘士特別顧問は、「これからいよいよ大都市の高齢化が本格化する。色々な住まい・施設が林立しているが、国民にとってもっと分かりやすく期待に応えられる制度を考えていきたい」と意欲をみせた。

サ高住が創設されたのは2011年10月。昨年末までの6年2ヵ月のあいだに、全国に22万5,374戸(6,877棟)が整備された。厚生労働省の昨年度の調査結果によると、入居者の87.5%が要支援・要介護の認定を受けている。要介護3以上は全体の30.9%にのぼっており、重度化への対応も大きな課題の1つだ。

国交省の調べでは、入居費用の全国平均は月額10.1万円(2015年度登録情報ベース)。これに医療・介護の自己負担や毎日の食費、生活費などが加わってくる。それなりの貯蓄や収入が無いと入れないため、多くの高齢者・家族のニーズに応えられていないという声も少なくない。このほか、自治体の街づくりや地域包括ケアシステムとの融合、医療・介護サービスの過剰な提供、既存ストックの有効利用、IoT・AIの活用といった課題も指摘されている。

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