自立支援や医療との連携に重点 通所や生活援助は引き下げ 新単価、4月適用へ―2018年度 介護報酬改定

《 社保審・介護給付費分科会 26日 》
来年度の介護報酬改定の全容が決まった。厚生労働省が26日、4月から適用する新たな単位数を公表。社会保障審議会・介護給付費分科会の了承を得た。今後、パブリックコメントなどの手続きを経て公布する。

マイナス0.5%程度の適正化を断行するが、全体としては0.54%のプラスとする――。政府が昨年末に定めた方針だ。どのような形でメリハリがつけられたのか?

重視された要素は大きく3つある。自立支援・重度化防止の推進、医療との連携の強化、現場の生産性の向上だ。

例えば自立支援・重度化防止の推進。より積極的な取り組みを促すための仕掛けが大幅に拡充されている。厚労省は通所介護に、200単位/月の「生活機能向上連携加算」を新設。もともと設けていた訪問介護では、点数のアップ(最高で200単位/月)や要件の緩和に踏み切ることにした。ともに外部のリハビリ専門職などと連携することがポイント。事業所の職員と共同でアセスメント・計画づくりなどを行い、それに沿って機能訓練を進めることで算定できる。

通所介護には、Barthel Indexを指標とするアウトカム評価も導入される。「ADL維持等加算」。要件を満たせば利用者1人につき6単位を上乗せできる。特養などの施設では、排せつに介護を要する原因の分析やそれに基づく計画の作成などを実施した場合に、「排せつ支援加算(100単位/月)」が取れることになった。褥瘡の発生リスクを定期的にチェックすることなどを要件とする「褥瘡マネジメント加算(10単位/月)」も新たに創設される。

医療との連携の強化に向けては、居宅介護支援のケアマネジャーにかかる期待も大きい。入院先の病院との調整などを評価する「退院・退所加算」は、多職種カンファレンスに参加すれば現行の2倍の600単位を取得できることとされた。末期がんの利用者へのきめ細かい支援を要件とする「ターミナルケアマネジメント加算(400単位/月)」も新設される。現場の生産性の向上については、特養が夜間に見守りセンサーを活用するインセンティブが初めて組み込まれることになった。

「身体介護はしっかり評価した」

このほか、居宅介護支援や特養、老健、特定施設、定期巡回・随時対応サービスなどの基本報酬が引き上げられている。適正化のターゲットとなったのはどこなのか? 大きいのはやはり通所介護の基本報酬だ。時間区分が細分化され、大規模型や通常規模型で単位数が減らされている。厚労省の担当者は、「今年度の経営実態調査で通所介護の利益率は4.9%と相対的に高かった。それを踏まえて設定した」と説明している。時間区分の細分化と基本報酬の一部引き下げは、3時間以上の通所リハビリテーションでも実施されている。

焦点だった訪問介護の生活援助はマイナス2単位の微減で決着した。厚労省の担当者は、「自立支援・重度化防止に資するサービスを推進する観点からメリハリをつけた。逆に身体介護はしっかり評価している。基本報酬を引き上げており、事業所の経営に深刻な影響が出るとは考えていない」と話している。この2単位減の判断をめぐっては、生活援助の担い手不足やサービスの縮小を加速させるという批判的な意見が噴出している一方で、財務省や経済界から強い圧力を受ける中でなんとか最悪の展開は免れた、という安堵の声も出ている。

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