【記録不備】岡山県「渋藤医院居宅介護支援事業所」取り消し

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岡山県保健福祉部長寿社会課は昨年12月31日、必要な介護記録を残していないなど運営基準違反を重ねて介護給付費約830万円を不正に受給していたとして、和気郡和気町内の医療法人渋藤医院(渋藤行雄理事長)が運営する渋藤医院居宅介護支援事業所(梶田圭子管理者、和気町父井原434-1)の事業所指定を介護保険法に基づき取り消した。

県長寿社会課によると、同事業所は2012年4月から昨年1月にかけて、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成した利用者の身体状況に関する記録を怠るなど計730件(延べ59人分)について、国や県が定める運営基準を満たしていなかった。さらに、基準を満たさない場合は市町村から受け取る給付費を減算しなければならないのに満額を請求し、その差額を不正に受給していた。

同事業所は管理者兼ケアマネジャーである梶田管理者1人で実質的に運営しており、県は2013年7月の監査で不備を指摘していたが、昨年1月に再度監査に入った際もまったく改善されていなかった。ちなみに、文書記録を怠った理由について梶田管理者は「忙しかった」などと釈明していたという。

なお、不正請求分について県は今後、不正請求額と加算金(40%)について、法第22条第1項および第3項に基づいて徴収するよう関係保険者(市町村)側に教示していくことになる。ここで保険者である岡山市・倉敷市・赤磐市と和気町が40%の加算金を含めて返還を請求できるが、2年間の時効が成立した分を差し引くと返還額は最大でも200万円程度となる見通しとされる。

以下、今回処分の原因となる事実や法的根拠など詳細は次のとおり。

平成24年4月から平成29年1月までの間に、次の(ア)および(イ)のとおり、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)」第13条第1項第10号および第14号の規定に適合した手続を行なっておらず、その場合、介護給付費の請求に当たっては、「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第20号)」の規定により運営基準減算を行なう必要があるにもかかわらず、計709件について減算を行なわないで不正に請求し、受領した。

(ア)利用者7人・110件について、居宅サービス計画を作成する際に必要な利用者の同意を文書で得ないまま指定居宅介護支援を提供している。

(イ)利用者53人・685件について、モニタリング(居宅サービス計画の実施状況の把握)の結果を記録していない。

また、利用者6人・21件について、「介護保険法に基づく指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準等を定める条例(平成26年岡山県条例第26号)」第31条第2項の規定に違反し、指定居宅介護支援の提供に関する記録の全てを保存していないため、指定居宅介護支援の提供に基づく適正な介護給付費の請求であることを立証することができない。

これらの不正請求は、管理者を兼務する介護支援専門員が運営基準減算を行なう必要があることを認識しながら長期間にわたり反復継続的に行なっていたもので、5年間に行なった1,618件の介護給付費の請求のうち、730件が不正請求である。

≪根拠となる法令の条項≫

上記については、指定居宅介護支援事業者に係る法第46条第1項の指定を取り消すことできる場合を定めた法第84条第1項第6号に該当する。

■岡山県「介護保険事業者の指定取消しについて」
http://www.pref.okayama.jp/site/presssystem/538371.html

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