入居高齢者への暴言で行政処分「グループホーム京都下京の家」【京都市】

京都市保健福祉局保健福祉部監査指導課は、医療法人社団長啓会(静岡県浜松市)が運営する認知症対応型共同生活介護事業所「グループホーム京都下京の家」で入居者に対する虐待事案が発生したとの報告を受け、2017年6月14日・8月16日・9月8日に介護保険法の規定にもとづく監査を実施した。監査の結果、管理者が入居者に対して虐待を行っていたという事実が判明。そのため、介護保険法第78条の9第1項及び第115条の18第1項にもとづいて業務改善勧告を実施した。

しかし、虚偽の報告を繰り返すなどして改善が見られなかったため、介護保険法第78条の10第6号および第9号,同法第115条の19第11号にもとづき、事業者指定の効力を一部停止(6カ月間の新規利用者の受け入れ停止)する行政処分を実施したものである。このことについて、市の保健福祉局保健福祉部監査指導課は1月12日に正式な発表を行った。

行政処分に至る経緯と処分内容

認知症対応型共同生活介護事業所「グループホーム京都下京の家」の管理者が入居者に対して、トイレの使用制限や人格を無視するような暴言をたびたび行っていたという通報を受けた。そのため、無通告による監査を実施したところ、虐待事案が明らかとなる。

監査結果をふまえて改善勧告を行い、「管理者を降格させて、当該入居者の介護は行わせない体制に改善した」との改善報告を市側は受けていた。しかし、実際には同じ管理者を当該入居者の介護にあたらせていたことが判明。報告に虚偽があったとして、事業者指定の効力を一部停止する行政処分を行った。

行政処分に至る業者側の不正の詳細

京都市は管理者が入居者に対して虐待を行っているとする通報(ボイスレコーダーによる音声録音)を受け、事業所へ無通告で立ち入り監査を実施した。職員などへの聞き取り調査の結果、管理者が当該入居者へトイレ使用の制限、あるいは人格を無視した内容の暴言を継続的に行っていたという事実が判明。管理者は当該入居者への虐待の事実を認めなかったが、暴言の事実は認めたため、心理的な虐待を行ったと認定。そのうえで、運営法人のエリア責任者に改善指導を行った。

改善指導の結果、運営法人のエリア責任者は「問題となった管理者を降格させて、当該入居者への介護は行わせない体制を整えた」とする報告を市側に行っていた。

しかし、市側が勧告通りに改善されているかどうかを確認するために、再度無通告で立ち入り監査を実施。すると、問題となっている管理者を当該入居者の介護に当たらせていたことが判明し、改善勧告に従わず改善報告も虚偽であることが明らかになった。

市側が運営法人の法令遵守責任者に対して事業所の改善状況について説明を求めたところ、虚偽の報告を繰り返すのみであった。そこで無通告による立ち入り監査を行った際、問題の管理者が当該入居者の介護に当たっていたことを問いただしたところ、虚偽の報告を行っていたことを認めた。さらに、運営法人の法令遵守責任者に「なぜ虚偽の報告を行ったのか」とその理由や経緯について説明を求めるも、終始無言で説明がなかった。

これらのいきさつから、運営法人側に対して、虚偽の報告を何度も繰り返すなど反省や改善は期待できないと判断。介護保険法第78条の10第6号および第9号、同法第115条の19第11号にもとづいて、事業者指定の効力を一部停止(6カ月間の新規利用者の受け入れ停止)する行政処分を下すに至った。

今後の業者側への指導

入居者が安心して日常生活を送れるよう、引き続き無通告による立ち入り監査を実施して改善されるよう指導を行う。また、同様の事案が他の施設などで起こらないよう、市内の入所系サービス事業所や老人福祉施設などへ注意勧告を実施する。

なお、当運営法人は3つ以上の地方厚生局の管轄区域内で事業所を運営しているため、厚生労働省にも事業者への厳しい指導を求める。

■京都市「介護保険サービス事業者への行政処分等の実施について」
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000230294.html

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