加算がさらに増加 新サービスも創設 制度は一段と複雑に 簡素化を求める声も―2018年度 介護報酬改定

《 社保審・介護給付費分科会 先月13日 》
報酬体系の簡素化を進めていくことが必要――。来年度の介護報酬改定に向けて国が定めた「基本的な視点」の中の一文だ。果たして実現されるのだろうか?

「さらに複雑になってしまう」「利用者からみて分かりづらくなる」。

昨年最後の社会保障審議会・介護給付費分科会では、締めくくりの意見交換で複数の委員がそう問題を提起した。加算やその要件、各サービスを取りまくルールの増加が念頭にある。ペーパーワークがますます煩雑になってしまう、という不満も根強い。12月13日にまとめられた分科会の報告書には、2021年度の次の改定に向けた検討課題の1つに「報酬体系の簡素化」が位置付けられた。制度全体を俯瞰した議論を行うよう求める声も出ており、厚生労働省の知恵の出しどころとなりそうだ。

平成30年度介護報酬改定に関する審議報告

ターミナルケアマネジメント加算の創設、生活機能向上連携加算の拡充、入院時情報連携加算の再編、栄養改善加算の見直し――。今回の改定のほんの一部だ。まだまだあげていけるが、全てを紹介することはとてもできない。特養には排泄の介助や褥瘡の予防に関する新たなプロセス評価が設けられる。見守りセンサーを設置するインセンティブも作るという。デイサービスにはADLの維持・改善に焦点を当てたアウトカム評価が導入される。共生型サービスや介護医療院の新設も決まった。それぞれに細かい運営基準が定められることになり、障害福祉や医療保険との関係も把握しておかなければいけない。

もちろん全てに目的がある。多様化するニーズへのきめ細かい対応や質の高いサービスの展開、現場を支える職員の負担軽減などを図っていくため――。そうしたコンセンサスのもとで実行される前向きな施策だ。一方で、報酬体系が一段とややこしくなる副作用が生じることは否定できない。隅々まで正確に理解することは既に容易ではないが、来年度の改定でより困難になることは明らかだ。ニーズの増大や給付費の膨張はこれから拍車がかかっていく。実際にお金を出して支えていたり利用していたりする多くの人が制度を理解できなくなれば問題は大きい。

「この20年の検証も必要」

先月13日の審議会の会合では、委員の1人が「加算の連発というか量産というか…。さらに複雑になってしまう。改定の『基本的な視点』と辻褄が合っていないのではないか」と指摘。「利用者からみて分かりづらくなるのではと感じる。今後は分かりやすい制度にしていくことも重要」「そろそろ真剣に簡素化に取り組んで欲しい」といった注文も出た。

「制度が始まってまもなく20年になる。そろそろ大局的な見地から全体を見渡し、歪みが出ていないか検討することも必要」。そう促す委員もいた。「現在の給付や仕組みがそもそもの目的に本当に適しているのかどうか、今いちど確認すべき時ではないか。この20年の制度の歩みを振り返る検証が必要だ。そのうえでより効率的でシンプルなものとできないか議論していくべき」といった提言もなされた。

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