科学的介護の展開へDB構築本格化 プロトタイプの始動、来年度にも 厚労省

《 厚労省 科学的介護の検討会 21日 》
介護保険の世界にまた新しい単語が登場した。「CHASE(チェイス)」。Care, Health Status & Eventsをベースに、厚生労働省が語呂を勘案して生み出した。いわゆる「科学的介護」の展開に欠かせない新たなデータベースの呼称で、これから様々な場面で出てくることになりそうだ。

厚労省は来年度から、この「CHASE」の構築に向けた動きを加速させていく。政府が22日に閣議決定した予算案には、関連するシステムの開発経費として3億7,000万円を計上した。2020年度には本格的な運用をスタートさせる予定。来年度中にはプロトタイプを始動できる段階までこぎ着けたいという。

平成30年度厚生労働省予算案の概要

科学的介護は政府が重視する今後の方向性。自立支援や重度化防止の観点から有効なサービスを根拠にもとづいて提供する、という意味合いがある。サービスの質の向上や効率化、給付費の抑制につなげる狙いだ。安倍晋三首相は今年4月、「どのような状態に対してどのような支援をすれば自立につながるか明らかにする」と宣言。6月にまとめた成長戦略には、2025年までに広く普及・定着させると書き込んでいる。来年度の介護報酬改定をめぐる議論にも反映されているが、2021年度の改定では具体策が拡大される見通しだ。施設・事業所の経営や日々の業務に一定の影響を与えていくとみられる。

「CHASE」は科学的介護のために育てられる。サービスの内容や利用者の状態・変化に関する情報を収集し、エビデンスを確立するプロセスで中核的な役割を担っていく。国は昨年度から、通所・訪問リハの計画書やプロセス管理表などを蓄積するデータベース「VISIT(ビジット)」の構築を始めている。この2つに加えて、要介護認定やレセプトの情報を格納した「介護保険総合データベース」も組み合わせ、必要なビッグデータを生成していく構想を描いている。

厚労省は現在、「CHASE」に集めるべき情報、実際に集めることが可能な情報について専門家会議で検討中だ。アセスメントやケアマネジメント、機能訓練、生活援助、食事・栄養面、認知症など多くを対象とする方針で、今年度末に中間的な整理を行うとしている。「できるだけ現場の負担を増やさないように配慮する」。担当者はそう話す。利用者の希望や満足度、レスパイトをどう評価するかといった課題については、来年度以降も引き続き議論していく考えだ。

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