「閉鎖に追い込まれる事業所も出る」 居宅管理者の主マネ限定に懸念の声―2018年度 介護報酬改定

《 社保審・介護給付費分科会 13日 》
居宅介護支援の運営基準を改め、主任ケアマネジャーしか事業所の管理者を担えないように厳格化していく厚生労働省の方針をめぐり、一部の関係者から懸念の声があがっている。

「現場はかなり忙しい。本当に皆が研修を受けられるのか疑問」「利用者が必要なサービスを利用できなくなってしまうのではないか」。

来年度の介護報酬改定に向けて協議を重ねてきた審議会の13日の会合では、複数の委員が改めてそう問題を提起。この日にまとめられた報告書にも、最後のチャプター「今後の課題」に「人材確保の状況について検証すべき」と書き込まれた。厚労省には今後、現場の動向を注視して大きな問題が起きないように対処していく責任がついて回る。

平成30年度介護報酬改定に関する審議報告

管理者を主マネに限定するのは、質の高いケアマネジメントを推進するための施策の一環。後輩を指導する手法や人事管理のノウハウなどが研修に含まれていることから、人材を育成していく環境の改善につながると判断したという。

提案されている経過期間は3年間だ。この長さには厚労省なりの論拠がある。請求事業所の総数と「特定事業所加算I(主マネが2人必要)」を取っている事業所の総数から、足下の2016年の時点で必要な主マネの人数は3万9,866人。直近の事業所の増加率を用いて計算すると、2020年には4万3,855人まで増えるとみられる。一方、2016年の時点で居宅の主マネは2万8,463人しかおらず大幅に足りない。ただし、2015年の研修によって4,402人増えた実績があるという。このスケールが縮小することなく推移すれば、2020年までに必要数に達するはずだと見込んでいる。

「必要なら新たな対応を検討」

もっとも、不安を抱えている関係者はこの見通しで安心できていない。審議会の委員の1人は、「実際に推計のようにいくかは疑問だ」と吐露。「全国平均でみれば必要数を確保できたとしても、マンパワーには地域ごとに濃淡がある。主マネが少ないところではやむなく閉鎖に追い込まれる事業所が出る恐れもある」と指摘する委員もいる。13日の会合では、「実際に働いているケアマネの受講機会の確保、研修の場の拡大などに努めて欲しい」との注文もついた。

厚労省はあくまで、「経過期間で必要な人員を養成・確保できると認識している」との立場。担当者は審議会の席上、「経過期間が終わる前に実態を検証する。必要があれば新たな判断・対応を検討することもあろうかと思う」と説明した。

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