通所介護へのアウトカム評価の考え方を提案 介護給付費分科会

社会保障審議会 介護給付費分科会(第153回 11/29)《厚生労働省》

社会保障審議会・介護給付費分科会は11月29日、介護サービスの質の評価、共生型サービスなどをテーマに意見交換した。このなかで厚生労働省は、利用者の状態改善に向けた事業者の取り組みを加算で評価することや、通所介護に利用者の身体機能の維持・改善に着目したアウトカム評価を導入することなどを提案した。

要介護度が高いほど手厚い報酬が設定されている現行の介護報酬体系は、要介護度が改善すると介護報酬が減る仕組みになっており、これが利用者の状態改善に向けた事業者の取り組み意欲を削ぐ要因(状態改善に対するディスインセンティブの発生)になっているとの指摘があった。そのため厚労省は給付費分科会に、こうした取り組みを行う事業者が経営上の不利を被ることにならないよう、質の高い介護サービスの提供を加算などで評価していく考えを示した(p48~p52参照)。

通所介護では、利用者の心身機能の維持に着目したアウトカム評価を導入することを提案した。評価期間内の利用者のADL維持または改善の度合いが一定水準を超えた場合に、その事業所が提供する通所介護サービスを一定期間、高く評価。その際には、▽一定以上の利用者数がある▽要介護度3~5の利用者が一定割合以上いる▽利用者の求めに応じて定期的に食事や入浴介助を提供した実績がある-ことを要件として課す方針を示した(p66~p69参照)。

一方、施設系サービスでは褥瘡の発生を予防する観点から、介護老人福祉施設(特養)と介護老人保健施設(老健)については、▽入所者全員について、施設入所時と以降は少なくとも3月に1回、褥瘡の評価をして結果を提出する▽評価の結果、褥瘡リスクがあると判定された入所者に対して、個別に策定した褥瘡ケア計画に基づいて褥瘡管理を行っている-などの要件を満たす場合に、介護報酬で評価することを提案(p53参照)。排泄機能向上の取り組みでは、特養、老健、介護療養型医療施設(介護療養病床)、介護医療院の排泄に介護を要する利用者に対して、▽排泄に介護を要する原因の分析▽分析結果を踏まえた支援計画を作成し、実施-した場合に、一定期間高い評価を行う案を示した(p59参照)。

障害福祉の基準のみを満たす施設を資格職の配置で区分 共生型サービス

共生型サービスの基準と報酬の案も示した。共生型サービスは、障害福祉の居宅サービス(デイサービス、ホームヘルプサービス、ショートステイ)を受けていた障害者が、65歳となった後も引き続き同じ事業者のサービスが受けられるよう、2018年度に新設されるサービス。指定障害福祉事業所が介護保険の基準を満たしている場合(類型:I)は現行のままでも共生サービスの提供が可能だが、介護保険の基準を満たしていない場合(類型:II)の対応を検討する必要があった(p73参照)。

厚労省が示した案では、施設類型のIIをさらに、「障害福祉事業所の基準のみを満たす場合(II-2)」と「障害福祉事業所の基準を満たし、介護サービスの質や専門性に一定程度対応する場合(II-1)」に区分(p74参照)。施設基準については、II-1、II-2とも、指定障害福祉事業所の人員・設備基準を満たしていれば共生型の指定を受けられることとし、II-1については、介護サービスの質や専門性に対応した資格職の配置を介護報酬で別途評価する考えを示した(p75参照)。介護報酬設定の考え方でII-2については、▽本来的な介護保険事業所の基準を満たさないため、本来の報酬単価とは区別▽ただし障害者が65歳になって介護保険に切り替わる際に事業所の報酬が大きく減ることがないように配慮し、障害報酬の水準は概ね担保する-と整理。II-1については、II-2に加えて、サービスの質や専門性を評価する加算を設定することを提案した(p75参照)。



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