【架空請求】大阪・泉佐野市「ケアセンターあさがお」取り消し

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大阪府泉佐野市健康福祉部地域福祉課は10月19日、同市内の株式会社クエスト(木次勲社長)が運営する訪問介護サービス事業所「ケアセンターあさがお」(同市野出町12-27)がこの5年間で介護給付費計1,612万7,007円を不正受給していたとして、介護保険法の規定による指定居宅サービス事業者・指定介護予防サービス事業者および指定居宅介護支援事業者ならびに第1号訪問事業指定事業者による同社の事業者指定を取り消した。

市広域福祉課介護事業者担当によると、あさがお事業所は2012年7月から今年7月にかけて、実際には提供していない入浴介助などの高齢者向けの訪問介護サービスを計464回提供したとする虚偽のサービス提供書類を偽造作成するなどして介護給付費を不正に請求していた。

また居宅介護支援では、入浴介助などについては提供する意思も能力もないことを把握していながら、そのサービスを盛り込んだケアプランを作成し、居宅介護支援費を不正に受給していた。さらに市当局による行政監査に対し、虚偽の記録を提出したり虚偽の答弁を繰り返したりしたことから、悪質と判断され今回の指定取り消しにつながったもよう。

不正発覚のキッカケは今年夏の情報提供にあった。この情報をうけて7月から市が調査に乗り出したところ、次々と不正事実が判明したとされる。

今後、泉佐野市をふくめ保険者側は、介護保険法第22条第3項に基づき、一昨年10月から今年9月までの不正受給分1,612万7,007円に加算金(40%)を加えた額(約2,200万円)をクエスト社側に返還を求めていくことになる。

以下、今回処分の理由・法的根拠など詳細は次のとおり。

ア.運営基準違反

【介護保険法第77条第1項第4号に該当】
【介護保険法第115条の9第1項第3号に該当】
サービス提供の実態に即していない訪問介護計画、サービス提供記録を作成していた。

【介護保険法第84条第1項第3号に該当】
指定居宅サービス事業において身体介護(入浴介助)を行なう意思も能力もないことを知りながら、訪問介護費の不正請求について、それぞれ身体介護(入浴介助)を提供する旨の実現不能な居宅サービス計画を作成し、かつ当該居宅介護サービス計画の提供が確保されるよう同指定居宅サービス事業者その他の者との連絡調整その他の便宜の提供を、殊更に行なわず、もって同指定居宅サービス事業者の不正請求を幇助した。

イ.不正請求

【介護保険法第77条第1項第6号に該当】
平成24年7月より平成29年7月までの間、サービス提供実績のない利用者10名に対しのべ464回、訪問介護を提供していないにもかかわらず、これを提供したとして、介護報酬を不正に請求し、受領した。

【介護保険法第115条の9第1項第5号に該当】
平成26年5月より平成28年3月までの間、サービス提供実績のない利用者1名に対し23回、介護予防訪問介護を提供していないにもかかわらず、これを提供したとして、介護報酬を不正に請求し、受領した。

【介護保険法第84条第1項第6号に該当】
指定居宅サービス事業において身体介護(入浴介助)を行なう意思も能力もないことを知りながら、それぞれ身体介護(入浴介助)を提供する旨の実現不能な居宅サービス計画を作成し、かつ当該居宅介護サービス計画の提供が確保されるよう同指定居宅サービス事業者その他の者との連絡調整その他の便宜の提供を何ら行なっていないのに、平成24年7月より平成29年7月までの間、利用者10名に対しのべ439回、居宅介護支援費を不正に請求・受領した。

ウ.虚偽報告

【介護保険法第77条第1項第7号に該当】
【介護保険法第115条の9第1項第6号に該当】
平成29年7月20日の監査時において、不正請求を隠すため、実際には行われていない訪問介護のサービス提供記録等、虚偽の書類を作成して提示した。

【介護保険法第84条第1項第7号に該当】
平成29年7月20日の監査時において、実際には行なわれていない訪問介護の正当性を装うため、居宅サービス計画書等、虚偽の内容の書類を作成して提示した。

エ.虚偽答弁

【介護保険法第77条第1項第8号に該当】
平成29年7月27日、7月31日、8月31日の監査時において、利用実績がないにも関わらず介護報酬(居宅介護サービス費)請求を行なっている利用者らについて、当該利用者らがサービス提供を受けていることを偽装するため、本市担当職員の質問に対し、利用者宅を訪問したとする虚偽の答弁を行なった。

【介護保険法第115条の9第1項第7号に該当】
平成29年7月27日、7月31日、8月31日の監査時において、利用実績がないにも関わらず介護報酬(介護予防サービス費)請求を行なっている利用者について、当該利用者がサービス提供を受けていることを偽装するため、本市担当職員の質問に対し、利用者宅を訪問したとする虚偽の答弁を行なった。

【介護保険法第84条第1項第8号に該当】
平成29年8月31日の監査時において、利用実態の無い利用者のサービス提供に係る虚偽の答弁を行なった。

オ.法令違反

【介護保険法第115条の45の9第1項第6号に該当】 第1号訪問事業と一体的にサービス提供を行なうことができる訪問介護および介護予防訪問介護において不正が認められ、介護保険法に違反した。

■泉佐野市「指定居宅サービス事業者、指定介護予防サービス事業者および指定居宅介護支援事業者並びに第1号訪問事業指定事業者の指定取消について」
http://www.city.izumisano.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/35/PR20171019.pdf

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