実調は実際の経営を反映しているとは言い難い 財政審で財務省

財政制度等審議会 財政制度分科会(11/8)《財務省》

今回のポイント
●財務省は11月8日の財政制度等審議会・財政制度分科会に、同日公表された「第21回医療経済実態調査(以下、実調)」の結果についての見解をまとめた資料を提出
○その中で、実調の集計客体は実際の施設分布とは異なるため、一般病院全体の経営状況を反映しているとは言い難いと指摘
○実調では2016年度の一般病院全体の損益率は▲4.2%で、過去3番目に悪い数字とされているが、財務省がとくに損益率の落ち込みが大きかった国公立を除き、実際の施設分布に合わせて補正した値は0.6%で、2014年度の前々回改定時の0.4%と比べるとむしろ改善していると反論

財務省は11月8日、一般病院全体の2016年度の損益率が過去3番目に低い▲4.2%との結果が出た「第21回医療経済実態調査(以下、実調)」について、開設者別の集計客体は実際の分布と異なるため、一般病院全体の経営状況を反映しているとは言い難いとする反証データを公表した。同日の財政制度等審議会・財政制度分科会に報告されたもので、11月10日に開かれた中央社会保険医療協議会・総会の冒頭では、日本医師会がこの財務省見解を取り上げ、強い不快感を示す場面があった。

実調の結果によると2016年度の一般病院全体の損益率は▲4.2%で、2014年度からの年次推移は▲3.1%、▲3.7%と年々悪化傾向にある。

一般病院のうち医療法人の2016年度の損益率は1.8%、公立病院は▲13.7%。財務省は、実調の一般病院全体の分析における医療法人の構成比は51.2%、公立は20.7%だが、実際の施設分布は医療法人66.1%、公立は12.0%で、集計上、損益率が高い医療法人の構成比が実際より小さく、逆に損益率が低い公立病院の構成比が実際よりも大きくなっていると問題視。この結果、「必ずしも一般病院全体の経営状況を適切に反映していない面がある」との見方を示した(p2参照)。

国公立を除く一般病院の損益は改善傾向、診療報酬引き上げは不適当

財務省が国公立を除いて、実際の施設分布による加重平均で補正した結果では、一般病院の損益率は2014年度0.4%、2016年度0.6%で、国公立を除いた一般病院の損益状況は、前々回の2014年度改定時に比べ、むしろ改善していると反論。「公立病院を含めた一般病院の損益をもって、国民負担による全国一律の診療報酬単価のさらなる引き上げを行うことは適当ではなく、むしろ公立病院の経営改善、地域の医療ニーズを踏まえた必要な病床機能の転換やダウンサイジングを後押ししていくべき」と主張した(p2~p3参照)。

一般診療所についても同様の補正を実施した。実調は損益率の高い個人立診療所の比率が実際よりも低いため、補正後の損益率は上昇。実調で、一般診療所の損益率は2014年度の15.5%から2016年度は9.1%に低下した(青色申告者を除いた数値)と報告されているが、補正後の数値は2014年度10.4%、2016年度11.9%となり、一般病院同様、前々回の改定に比べて損益が1.5ポイント改善していることを示した(p4参照)。



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