経済成長の視点から社会保障を考察 2017年版白書 厚労省

平成29年版厚生労働白書-社会保障と経済成長-[概要](10/24)《厚生労働省》

厚生労働省は10月24日、「平成29年版(2017年版)厚生労働白書」を公表した。毎年特定のテーマを掘り下げる第1部では、「社会保障と経済成長」を取り上げ、経済成長の視点から社会保障のあり方を考察。国民生活を支える社会保障の役割や経済成長との関係を整理するとともに、経済成長との好循環を実現するための社会保障分野の取り組みを事例も交えて紹介した(p2参照)。

2017年版白書の第1部は(1)我が国経済社会の中の社会保障、(2)国民生活と社会保障、(3)成長という視点から見た社会保障-の3章で構成。経済と社会保障の現状分析では、人口の高齢化に伴って、高齢者1人を支える現役世代の人数は大きく減少しているものの、労働参加を適切に進めることで、非就業者1人に対する就業者の人数を増やすことは可能との認識を示した(p4参照)。その際には、経済成長の主な支え手である現役世代が自身のキャリア形成や子どもへの教育投資などを十分行えるように、生活の安定化を図るなどの視点が必要と指摘している(p5参照)。

現役世代が安心感を持てる「全世代型」社会保障への転換を提言

社会保障による所得再分配の動向も分析した。社会保障の負担と給付の関係をみると、当初所得金額が100万円未満の世帯は10万円程度の負担で200万円程度の給付、当初所得金額が500万円程度の世帯では負担と給付が同程度。ここを境に負担と給付が逆転し、当初所得が1,000万円程度の世帯では200万円程度の負担で100万円程度の給付となる。白書は、社会保障による等価所得の格差(ジニ係数)是正効果は税よりも高いと評価する反面、現在の日本の所得再配分機能が現役世代に比べて給付面、負担面とも高齢世代に手厚い構造であることに問題意識を示した(p10参照)。

今後の社会保障のあり方では、厚労省が行った意識調査で、国民全体の4割以上が給付水準の維持や引き上げを望み、約6割は負担が増えてもやむを得ないと回答していることを紹介。とくに高齢層や高所得層でこうした傾向が強いことを明らかにした。一方で、健康・医療・介護が革新的な技術の導入による成長の余力が高い分野であることも指摘。経済成長という視点から社会保障を考え、▽これまでの高齢者に手厚い社会保障から「全世代型」社会保障への転換など現役世代が安心感を持てる社会保障の構築▽技術革新による医療・介護の生産性・質の向上の推進-などを目指す重要性を説いた(p13~p14参照)。

なお白書の全文はウェブサイトから入手可能。

厚生労働省・白書掲載ページ



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