医療と福祉は双方が影響を与え合ってなりたっている

  • コラム
  • 宮川明子
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在宅介護が増えてから特にこの分野の連携が進められています。双方の基礎課程で共通化できるものがあるのか、また介護福祉側から医療に、医療側から介護側に「知っていて欲しい知識」というものもあります。医療8資格、介護4科目で行う基礎科目はどういうものにするのか、双方が効率よく介護、看護するために必要なスキルや知識、技術は何か考察してみたいと思います。

自宅や施設でできる「医療措置」実習

現在、介護分野が「在宅介護」に向かっています。そんな中、医師から見た介護、そして介護から見た医療において、双方の専門職養成課程で共通に行える分野を、双方の基礎科目として交換単位と認められないかという議論が行われています。

基礎科目が共通していれば、お互い信頼して職務が遂行できるでしょう。また、両方の免許をとることも可能となります。では、互いにどのような知識が必要でしょうか。

積極的治療ではなく、「夜間の痰の吸引ができない」など、自宅で家族が行っていることに関しては施設でも可能にしてほしいと思います。この条件に合わないために、入所先が見つからない…そんな問題は早く解決したいものです。

現在は施行令などで、徐々に介護職員が胃瘻や痰吸引を行えるようになっています。しかし高齢者と家族が安心できるためには、一部の人でなく、すべての介護職員が指導過程から一つの分野としてしっかり教えた方が良いのではないでしょうか。

障害者施設に勤めていたとき、もっとも困ったのが「精神科がないので対応できない」と言われたこと。普段、その方の援助について、投薬やてんかん発作の対応(怪我をしないようにし、様子や長さを記録し主治医にみてもらう)は施設で行っていました。しかし病院という専門機関で断られてしまうのは、納得できないことがあったのです。知的障害と認知症の症状の違いについて、できれば全科の医師、看護師、介護福祉士、ケアマネジャーすべてが知識を得られたら良いと思います。

介護介助共通「生活保護」

右上がりにどんどんあがっていく生活保護。福祉事務所が行う業務ですが、病院や高齢者施設でも無関係ではありません。

生活保護のうち医療扶助は、受給者が病院にいくときに担当ワーカーに連絡し、担当ワーカーから生活保護に対応している病院に連絡するという方法で受診しています。定収入の高齢者や患者は多いですが、それにより生活が困窮して受診して踏み倒すという例も多く、病院では頭の痛い問題になっています。収入が少ないことで医療受診を控えるようなことがないように、気を付けなければなりません。本人の意思で病院を訪れたわけではなく、倒れたり何かの事故に遭ったりしたことがキッカケで来院し、そのときに「お金がないから逃げてしまえ」という感じなのでしょうか。

例えば生活保護で、医療扶助だけ利用するというやり方もあります。病院も高齢者も、生活保護があるということを頭に入れておくと良いでしょう。

ケアマネジャーのための医学知識

ケアマネジャーは、2018年から受験資格が変わります。これは、「相談業務と保険・医療・福祉に関する幅広い知識や技術が求められる」と資質の向上をはかるためです。過去のケアマネジャーの試験問題を見直しても、やはりこれでは足りないという印象があります。どのくらいの深さで、どのような問題が出るのかはまだ分かりません。しかし、現場の医師や看護師の話に、しっかりついていけるレベルの知識が必要です。

特に「看護師の教育内容」において、「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」「健康支援と社会保障制度」はケアマネジャーとしても知っておきたい内容です。5年で更新研修をしますが、せっかく更新研修をやるのですから、医療分野で今話題になっていることを理解できるよう最新情報を教えていただきたいと思います。もちろんこうした情報は、さまざまな方を担当しながら、調べているうちに覚えていくことも可能です。しかしサービスを受ける側には、新人でもベテランでも関係なく一定以上のサービスをしなければなりません。

医療分野でも「在宅」治療が注目されています。介護も看護・医療分野の知識を深め、よりよいサービスを提供していきたいものです。

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