【常勤医不在】前橋市「ビハーラ寿苑」が巨額不正

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前橋市福祉部介護高齢課は8月23日、前橋市内の医療法人「高柳会」(関口秀文理事長=赤城病院理事長・院長、同市江木町1072)が系列病院敷地内で運営する老人保健施設「ビハーラ寿苑」(川合宏和施設長)が介護報酬総額9,880万1,172円を不正に請求し受給したとして、介護保険法に基づいて現在の入所者の受ける各サービス停止などの3ヵ月の行政処分とすることを明らかにした。

市介護高齢課および指導監査室によると、処分発効期間は今年11月1日から来年1月31日までの3ヵ月間。この期間、新規老健利用者の受け入れのほか、短期入所・介護予防短期入所の療養介護利用者受け入れや、通所・介護予防通所リハビリテーション利用者の各サービスもすべて停止される。

不正発覚のキッカケは2015年春、市へ複数市民からの匿名の情報提供にあった。これをうけて市が法人元役員らから聴取したところ、当時の勤務状況を認識していたと認めたことから、故意に不正請求していた可能性が高いとと判断。2016年9月からは介護保険法に基づく立ち入り監査などを進めていくなか、次々と不正事実が明るみにでていった。

2015年5月から2016年8月の1年4ヵ月間は、それまでの常勤医師が一昨年3月に退職したあと届け出をせず、常勤の医師を配置していなかった。非常勤医3人の勤務時間の合計が週24時間程度であって(常勤医の勤務時間は週32時間が目安)、本来は3割減して請求しなければならないにもかかわらず、非常勤医の勤務時間数を偽って記録偽造するなど常勤医同等の介護報酬を不正に請求するなどしていた。複数の医師の勤務延べ時間数が基準に適合しないなどの状態で、計7,411件、総額9,880万1,172円を不正に受給したとされる。

今回の処分をうけて、この春に高柳会理事長に就任したばかりの関口秀文医師は「たしかに管理に一部ミスはあったが、勤務時間を示すタイムカードなどの証拠がないのに今回処分をうけたことには一部見解の相違もある。ただ、入所者やご家族を不安にさせた点は誠に申し訳ない。介護報酬の返還については、当時の責任者は故人のため、あらためて弁護士など専門家の意見を聴いて確認し対応したい」などと釈明のコメントをしている。

市では今後、不正請求額に処分に伴う加算金(40%)をくわえた総額1億3,400万円ほどを法人側に請求していく方針。ちなみに県などによると、今回不正受給額は2000年介護保険法制定後では県内最高となるという。

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