人件費確保目指し、診療報酬本体の引き上げ要求 横倉日医会長

第59回全日病学会in 石川(9/9)《全日本病院協会》

日本医師会の横倉義武会長は9月9日に開催された、「第59回全日本病院学会」で講演し、薬剤費や医療材料費の上昇により、医療機関の費用に占める人件費比率が低下傾向にあることを問題視。2018年度診療報酬改定では、医療従事者の人件費確保を目標に、政府に対して診療報酬本体の引き上げを強く求めていく考えを表明した。

横倉会長は、国民皆保険制度を維持し、国民が安心して暮らせる社会を構築することこそが、政府が目標とする経済の発展と財政健全化の両立にもつながると指摘。日本医師会をはじめとする医療関係者自らが時代に即した改革を実施するとともに、国民に医療が過不足なく提供されるような提言を行っていく必要があるとの認識を示した。

そのためには医療機関の経営安定化が重要になるものの、2018年度の予算編成にあたっては、年金・医療関係経費の高齢化に伴う自然増6,300億円を5,000億円に圧縮することが求められており、診療報酬引き上げ財源の捻出は厳しい状況にある。

横倉会長は、医療機関の費用に占める人件費比率が2000年度から2012年度の12年間で約1割低下したことを示し、「医薬品や材料、そのほかの経費が増え、人件費に回せないという状況が続いている」と説明。医療従事者の人件費は診療報酬の本体部分(技術料相当分)で賄われているが、アベノミクスの開始年である2012年度を起点にした経年推移をみると、診療報酬本体は1%程度しか伸びていないと指摘し、「医療経済実態調査の結果も踏まえ、医療機関が一体になって医療従事者の人件費を確保せよと声を上げていく必要がある」と、診療報酬本体の引き上げを求めていく姿勢を示した。

財源確保の具体策では、「まず我々医療側から適切な医療を提言して医療費が過度に伸びないように努めていくことが大切」とした上で、たばこ税に言及。たばこ税を1本当たり3円引き上げ、たばこの消費量は減らないと仮定した場合、新たに1,200兆円の財源が生まれるとの試算を示した。

コメント[24

コメントを見るには...

このページの先頭へ