高齢者が住みやすい家はどんなもの?生活の中でちょっと気になること

  • コラム
  • 宮川明子
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サ高住やグループホーム、シェアハウスなど…できるだけ地域に開かれた環境で暮らすために、さまざまな工夫を施した住処が提案されています。一方、「やはり自宅で暮らしたい」と思う人も多いですね。そういう方々は、自宅を改修するなど安心して暮らせるように準備します。しかしそれが、かえって認知症を引きおこすことも。大手企業が提案しているプランにも、なかなか良いものがあります。今回はケアマネジャーも顔を出せるような、生活していくうちで改善できる身近な工夫を考えてみます。

24時間の見守りを実現するには

在宅介護が推進されていますが、認知症の方や介護度が高い人にとっては難しいこともたくさんあります。認知症の人の行動でもっとも困るのは、「知らないうちに外へ出て徘徊してしまう」「火を使っていることを忘れてしまう」など、安全面で不安なことが多いでしょう。

体調変化、そして夜間の徘徊や失禁に対しては、24時間の見守りが必要です。しかし実際のところ、介護福祉士やヘルパーが一人一人の家にずっと滞在していることはできません。せめて、何か起きたらすぐ駆けつけられるよう待機できればいいですね。

賛否両論あるかもしれませんが、部屋にカメラを取り付けてもらい、適宜様子を見るというやり方はあってもいいと思います。あるいは、夜間にベッドから起き上がったときに反応するセンサーを付け、様子を見て状況によって駆けつける。そういったことができれば、24時間見守りが可能になるかもしれません。逆に高齢者の方も、困ったときにベルなどで知らせられると良いでしょう。

認知症や虚弱な高齢者の人権を守りながら安心して暮らせるように、臨機応変な対応ができる方法を考えていきたいですね。

家の中で気をつけること

家を介護用にリフォームするときには、いくつか気をつけることがあります。まず独居老人に対する心配事として、火の消し忘れから火事になるという危険性がある点。しかし安全のために電磁調理器に変えたら、使い方が分からなくて料理を全くしなくなった…なんていう話はとても多いのです。

例えば調理器を見ると、火の強さを変えるとき矢印のキーを軽く押すだけで楽に思えます。しかし「どのキーを使うのか分からない」「火が強くなったかどうか分からない」「表面が熱くなっていることに気づかず火傷する」など、余計に危険なことも。例えば外見をガスコンロと近い見た目にする。あるいは五徳を付けて、つまみを捻るとその中が青くなり、回していくにつれて色が濃くなっていくなど、見た目や使い方を慣れ親しんだ形に近づけると混乱が防げるのではないでしょうか。

改築しても、生活動線があまり変わらないようにする。電化製品などの機能は最新の技術を使うとしても、手順や見た目はできる限り今使っているものに近いデザインにする。そうすることで、高齢者に起きる混乱は少なくできるかもしれません。

担当の高齢者の家のうちに入れるか

一軒家に住んでいるとあまり問題にならないかもしれませんが、最近建てられているマンションは、ほとんどがダブルロックになっています。

ヘルパーが家に直接入るため、塀やドアに自宅のカギを入れいれておくボックスを使るケースも多いでしょう。しかしダブルロックはマンション全体のロックのため、そもそも部屋に行くことができません。マンションの誰かにキーを開けてくれる協力者が必要かもしれないし、マンションキーを安全に入れられる場所を作ってもらわなければいけないかもしれないなど、思いがけない問題が見えてきました。

では戸建てならいいのかというと、そうでもありません。また異なる問題が懸念されます。

例えばギャッジベッドを使う場合には、「家がベッドの重さに耐えられるかどうか」に気を付けることが必要です。以前、古い木造住宅にベッドを置いたところ、床がたわんでしまったことがありました。強化する工事が必要になりますが、果たしていくらかかるでしょうか。

細かな部分が多くなりましたが、大きな問題は各企業でも対応してくれています。ここでは私自身が実際に介護している中で、気づいた住み辛さを取り上げてきました。高齢者が混乱せずに過ごせるような一工夫を考えていきたいですね。

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