居宅介護支援、論点に集中減算の見直しや管理者のあり方 入院・退院時の連携も

《 左:社保審・介護給付費分科会 5日 》
来年度の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会の5日の会合。居宅介護支援もテーマの1つに据えられていたが、訪問介護や訪問看護、共生型サービスといった別のテーマに時間がかかってしまったため、議論は次回以降に持ち越しとなった。用意してあった資料は配布されたが、タイムオーバーでその説明は行われていない。

第142回社会保障審議会介護給付費分科会資料

厚生労働省が資料で提示した論点は4つ。そのサマリーは以下の通り。

= 論点1 =

居宅介護支援事業所における人材育成の取り組みを促進する観点から、事業所の管理者のあり方についてどのように考えるか。

現状・課題

  • ケアマネジャーの資質の向上を図るためには、個々の居宅介護支援事業所における人材育成の取り組みが重要となるが、事業所の管理者の中には、人材育成やケアマネの業務の実施状況の把握に課題を抱えている実態がみられる。
  • 管理者が主任ケアマネである割合は44.9%だが、管理者が主任ケアマネでない場合と比較すると、事業所のケアマネに対する同行訪問による支援(OJT)の実施や、ケアマネジメントに関する相談の時間を設けている割合などが高くなっている。
= 論点2 =

公正中立なケアマネジメントを確保する観点から、特定事業所集中減算のあり方や利用者・家族に対する説明・同意プロセスなどについてどう考えるか。

現状・課題

  • 特定事業所集中減算については、昨年3月に会計検査院から、必ずしも合理的で有効な施策であるとは考えられないことなどの指摘を受けており、同年5月の参議院決算委員会において、「ケアマネジメントの公正・中立の確保に向け、現行施策の抜本的見直しも含め、その在り方を十分に検討すべき」との決議がなされている。加えて、介護保険部会においても、その実効性が乏しく見直しをすべきとの意見があった。
  • 近年増加傾向にある有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの高齢者向け住まいについて、特に適切なケアマネジメントを求める意見や、訪問介護の生活援助の適正利用の観点から、生活援助の提供がどのように重度化の防止や自立支援につながるかをケアプランに明記することを義務づけるべきとの指摘がある。
  • 居宅介護支援事業所には集合住宅の訪問に係る減算の仕組みはないが、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの集合住宅と併設している事業所は、併設事業所がない場合と比較して、利用者宅までの平均移動時間が短い傾向にある。
= 論点3 =

退院後に円滑に必要な居宅サービスを受けられるようにするために、入院時を含めた医療機関と居宅介護支援事業所との更なる連携に向けた取り組みについてどう考えるか。

現状・課題

  • 今後、重度者や医療の必要性が高い利用者が増えていくと考えられることから、医療ニーズを踏まえた適切なアセスメントや、ケアマネジメントを行う際の医療との連携が重要。例えば、医療機関へ入院した人が退院後に円滑に在宅生活へ移行するためには、入退院時にケアマネジャーが関与し、医療機関との連携を図ることが重要であるが、その取り組みが必ずしも十分でないとの指摘もある。
  • 介護報酬においては、利用者が病院などに入院するにあたって、ケアマネが病院などの職員に対して、利用者の心身の状況や生活環境、サービスの利用状況などの情報を提供することを評価する「入院時情報連携加算」があり、利用者が入院してから遅くとも7日以内に情報提供した場合に算定が可能となっている。実際には、入院後2日以内に入院先の医療機関に情報提供を行った割合は5割を超えている。
  • 入院時の情報提供において問題と感じる点については、医療機関から情報提供を求められないことや、医療機関の医師とコミュニケーションがうまくとれないこと、医療機関に情報提供する機会・タイミングを確保するのが難しいことなどが多い。
  • 介護報酬においては、病院などを退院し自宅でサービスを利用するにあたって、病院などの職員と面談を行い利用者に関する必要な情報を得た上でケアプランを作成し、サービスの利用に関する調整をすることを評価する「退院・退所加算」があり、入院期間中3回まで算定することができる。
  • 利用者が病院などから退院する際、ケアマネ側から医療機関に対してカンファレンスの開催を求めるなどの取り組みも行われているが、医療機関の都合に合わせた訪問調整など、退院時に医療機関から利用者情報を得ることに困難を感じている事業所が多い。
= 論点4 =

末期がんの患者に係るケアマネジメントについてどう考えるか。

現状・課題

末期がんの患者へのサービス提供に際して、患者の状態に応じた真に必要なサービスが迅速に提供されていない場合があるとの指摘がある。

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