【虐待疑惑】神奈川・三浦市「はまゆう」元利用者が提訴

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神奈川県三浦市内の社会福祉法人「啓生会」(井上洋明理事長)が運営する「特別養護老人ホーム はまゆう」(井上政江施設長、同市三崎町諸磯1411-1)において昨年末、認知症を患う男性元入所者(85)が肋骨や尾骨の骨折や顔のあざなどを負って虐待疑惑が浮上した件をうけて、利用者男性側は6月20日、成年後見人である次女(52)の支援を得て、はまゆうホーム内の虐待により男性がけがを負った疑いがあるとして、容疑者不詳のまま刑事告訴するとともに、「啓生会」および介護担当の男性介護福祉士を相手取って慰謝料など計約1,680万円の損害賠償を求める民事訴訟を横浜地地方裁判所横須賀支部に提訴した。

今回の訴状によると、この男性元利用者は軽い認知症・高血圧症を抱えるが、自立歩行は十分可能で、昨年11月24日にはまゆうホームに入所。昨年12月28日、右目の腫れや左腰打撲のけがをしたということで、ホーム側から家族に「男性が転倒したのでこれから医師に診せる。骨折などはないが、身体中に痛みがあり、車いす生活になるかもしれない。ただしベッドからの転落は今回なかった」といった主旨の電話連絡をしたとされる。そのご医師の往診をうけてホーム生活に戻り、同30日に家族側が男性への面会に訪れようとしたが、「男性の状態が悪い」との理由で会うことを拒否されたという。

今年1月1日になって再び家族が面会に訪れると、車いすに乗ってホーム職員に連れられてきた男性利用者は、両目まぶたや頬・手にあざが出来ていた。男性の状況に驚いた家族側が救急車を呼び、別の病院に緊急搬送。搬送先の別病院による診断では、新たに左右の肋骨計7本の骨折と尾骨骨折、さらに両目・後頭部・腹・背中などが皮下出血していることも確認された。

はまゆうホームは家族側に当初、12月28日午前6時20分の訪室点検で初めて右目のあざを発見したと説明。そのときの経過観察記録やケア記録・夜勤日誌には「ベッドに伏している」とあるだけで、転落などの記録などはなかった。しかし、家族側が後日あらためて入手した28日の手書きの経過観察記録やケア日誌には「昨夜(27日)の転倒」「頭部痛打」などの記述がみつかり、家族側は「事後に記録が改竄された疑いが高い」とする。

さらに12月28日に往診した医師のカルテには、右目のはれやあざの記述しかないことも判明。緊急搬送先の病院の医師によると、「29日以降に出現した左目周囲や腹部の皮下血腫は人為的なものである可能性が高い。肋骨や尾骨の骨折は、ベッド上安静下では受傷することは考えにくい」などとも記載されていた。

そのため家族側が虐待を疑ってホーム側にけがの経緯をあらためて確認すると、ホーム側は「負傷の経緯はよく」分からないが、実際けがをしていた。我々は職員を信用している」などとして、ホーム内での虐待の可能性を否定していた。

今回の提訴にあたって利用者男性側は、運営法人と担当介護福祉士は利用者がけがをしないよう配慮すべき注意義務を怠った可能性が高いとし、仮に虐待によるけがではなかったとしても、入所者を適切に管理・観察する注意義務を怠った債務不履行に当たると主張。今後は民事・刑事ともに争う姿勢をしめしている。

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