刑務所の収容者、必要に応じて保険料減免を 対応まちまち 総務省が改善を要請

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刑務所や拘置所に収容されている人の介護保険料を減免するかどうか、各市町村でもう一度しっかり協議してもらいたい――。

厚生労働省は28日に出した通知でそう呼びかけた。減免は条例を定めれば可能。出所後の社会復帰をスムーズにするメリットが見込めるものの、市町村ごとに対応がまちまちで十分に検討していないところも見つかったとして、総務省から改めて周知するよう促されていた。「介護保険最新情報Vol.593」で経緯を説明している。

現行の介護保険法には、特別な理由を持つ人なら保険料の減免を条例で認めてもよいという決まりがある。ただし、必ずしも刑務所などに収容されている人だけを想定した規定ではない。ターゲットの判断は市町村に委ねられており、そこに含まれないと収容後も保険料を負担し続ける義務が残るという。厚労省が今回のような指導を行うのは初めて。老健局の担当者は、「出所後にそれまでの分をすべて支払うよう催促されるケースなどがある」と話している。

総務省が64の市町村を調べた結果によると、実際に保険料を減免しているのは60.9%の39市町村。残りの39.1%(25市町村)は実施しておらず、少なくとも5市町村は要否の話し合いもしていなかった。また、介護保険料と健康保険料で対応が異なるところもあったという。

総務省は今年3月、こうした状況の改善を図るよう厚労省に要請。「行政の隙間の問題。自治体間で不均等がないようにすべき」「再犯防止の観点からも、出所後の生活費が損なわれないような措置が必要」といった意見を伝え、各市町村で十分な検討がなされるよう情報を提供すべきと求めていた。

刑務所などに収容されている人の場合、医療や介護のサービスは原則としてすべて公費で賄うルールとなっているため、一部の例外を除いて介護保険の給付はない。厚労省は今回の通知で、「少なくとも給付が一切されていないケースでは減免が考えられる」と指摘。減免の費用は他の高齢者の保険料で補填しなければいけないことも踏まえつつ、その要否をきちんと協議して欲しいと指示した。制度の公平性を担保する観点から、「全額の免除は適当でない」とも付言している。

Vol.594、特別調整交付金の算定基準を変更

厚労省が28日に出した「介護保険最新情報Vol.594」は、「特別調整交付金」の算定基準の変更を周知する内容だ。「特別調整交付金」は、災害などの際に保険料や利用料の減免に踏み切った市町村のファイナンスを国がバックアップする仕組み。

厚労省は昨年、高齢者の保険料などの多寡を決める指標としている「合計所得金額(*)」の見方を変え、土地や建物を売却して得た収入などを含めないことにした。災害でやむを得ず土地などを手放したにもかかわらず、翌年の保険料が一気に上がってしまう被災者がいると指摘されたためだ。

* 合計所得金額 = 収入から計算上必要な控除などを行ったあとの額

今回の算定基準の変更はこの見直しに伴うもの。「特別調整交付金」の交付額は減免される保険料の多寡と連動する。ここでも「合計所得金額」が指標となるため、新たな見方を事務的にそのまま反映させた形だ。適用は今年度から。

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