「人間が判断を下す必要性は残るはず」 厚労省、医療・介護のAI活用へ報告書

《 左:厚労省 》
厚生労働省は27日、医療や介護の分野で人工知能(AI)を有効に使う方策を議論してきた有識者会議の報告書を公表した。サービスの質の向上や効率化など得られるメリットが大きいとして、幅広い領域での活用に向けて環境の整備を急ぐよう促す内容。医師の診療や医薬品の開発を支援するタイプを2020年度にも実用化する、との工程表も打ち出した。

保健医療分野におけるAI活用推進懇談会 報告書

「AIの限界とあるべき姿」と題した終章では、「AIはあくまで、収集されたデータに基づく学習によって結果を予測しているに過ぎない」と説明。その予測が外れ、患者・利用者に誤った対応をする結果を招く可能性は否定できないとの認識を示し、「人の生命に関わる重大な問題。各種の状況を踏まえて人間が最終判断を下す必要性は引き続き残るはず」と結論づけている。

加えて、それぞれの考え方や感情、事情が重要な意味を持ちやすい分野であることを根拠に、「客観的なデータに基いてAIが提案するサービスだけでは、国民が得る満足感にも限界がある」と指摘。人間の仕事を代替する存在としてAIを捉えるのではなく、現場での適切な判断や措置をサポートするツールとみる方が適切だと呼びかけた。また、「将来の保健医療関係者には、サービスの質を高めるものとしてAIをうまく使いこなしていく知識・技術が求められる」とも付言している。

報告書では、これから開発に力を入れていくべき「重点領域」を6つ提案。その1つに「介護・認知症」を位置付け、「排泄のリズムを予測でき、生活の質の向上や介護職員の負担軽減につながる可能性がある」などと具体例をあげた。工程表には、「生活リズム事前予測システム」の一部を2021年にも実用化する構想を掲げている。当面の課題としては、現場のニーズを反映させた開発や必要なデータの収集などを記載した。

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