事業者は将来を見据えた経営戦略策定を 介護経営コンサル・小濱氏

2018年の医療・介護同時改定に向けた経営戦略 キーワードは混合介護! 生き残る介護経営の「3大要件」を一挙公開(6/9)《日本経営》

日本全国で介護経営支援事業を手掛ける、小濱介護経営事務所の代表・小濱道博氏は、6月9日に都内で講演し、介護保険法の改正で来年8月から実施される現役世代並み所得高齢者の3割負担導入について、対象者が限定的であることから、当面、介護事業経営に直接的な影響が出ることはないとの認識を示した。ただ、今後、対象者の年収基準は法改正なしでの引き下げが可能となるため、3年先、5年先はわからないとして、将来を見据えた経営ビジョンを策定する必要性を説いた。2018年度の介護報酬改定にも言及し、利用者の要介護度を改善した事業者を評価するアウトカム評価や、生活支援サービスの人員基準緩和などをポイントにあげた。

小濱氏が登壇したのは、医療・介護のコンサルティングファームの日本経営(大阪府豊中市)が主催したセミナー「2018年の医療・介護同時改定に向けた経営戦略」。この中で小濱氏は来年8月から導入される、年収340万円以上の1号被保険者への3割負担導入について、2割負担導入時に比べると該当者は利用者全体の3%と極めて少ない上、高額介護サービス費による自己負担上限の設定(4万4,400円)で、ほとんど影響はないとの見方を示した。一方で、「5年後、10年後を見据えた時は、とんでもない改正になる可能性がある」とも指摘。3割負担の年収基準は省令決定事項のため、今後は法改正なしでの引き下げ(3割負担対象者の拡大)が可能になることや、高額介護サービス費の自己負担上限のさらなる引き上げが予測されることなどから、「介護事業者は今後、利用者負担が高くなっても利用されるサービスを目指す必要がある」と述べた。

共生型サービス、介護保険外サービスの提供も視野に

改正介護保険法の関連では、このほか要介護度が下がった利用者が一定数いる市町村に補助金を手厚く配分する財政インセンティブの導入を問題視。補助金獲得のため市町村が、要介護認定の認定基準や市町村によるケアプランの査定を厳格化する恐れが高いと見通した。これに加えて来年度の介護報酬改定はマイナス改定の可能性があるなど、事業者を取り巻く環境は一層厳しくなるとし、「この先も事業を安定させ、伸ばしていくことを考えるなら、1つは障害福祉との『共生型サービス』を可能であれば提供し、介護保険外サービスも利用者の夢を叶えることができるのであれば積極的に提供していくことが大事なのではないか」と生き残りの選択肢を提示した。

認知症加算の拡充に備え、認知症関連研修の受講を推奨

2018年度介護報酬改定を巡る、社会保障審議会・介護給付費分科会の議論の状況も紹介。特に医療系サービスではアウトカム評価が導入されることが大きなポイントとし、「これからは単に機能訓練をしました、リハビリをやりましたでは評価されない。実施した結果、何がどう改善したのか、結果が重視されることに留意する必要がある」と述べた。

人員配置基準の緩和が論点となっている訪問介護の生活支援サービスは、ヘルパー2級資格が不要となり給与水準が下がるのに伴って、報酬単価が下げられると予想。また認知症高齢者の増加に対応した【認知症加算】の対象サービスの拡大や、同加算の単価引き上げが見込まれることから、「事業者は可能な限り職員に加算要件の認知症関連研修(認知症介護指導者養成研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護実践者研修)を受講させることが準備として重要であり、今後の鍵になるだろう」との見解を示した。



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