介護保育者への支援とは?

  • コラム
  • 宮川明子
  • 7
  • 閲覧数:1,456

これまではライフサイクルを考える際、子育てが一段落したら親の介護という状況を想定していました。ところが、最近は「子育てと介護」の両方やらなければならない人が増えています。これは「ダブルケア」といわれていますが、この負担は大変なもの。どんな状況なのか、どんな支援が必要かについて考察していきたいと思います。

子育てと介護との両立

子育てと仕事を両立させるのだけでも大変なのに、そこに「介護」の負担も…。子育ては未来が予想できますが、親の介護は「ある日突然」降りかかってくることもあります。そして、これは「働き盛り」の人たちにおきること。介護休業法による介護休暇をとりながら働いており、「無理だ」と思い離職してしまうのですが、これは社会問題でしょう。

また、3割近くの人が「介護、育児は自分でやるべき」と思って頑張り疲れてしまい、高齢者や子どもへの虐待という悲しい事件がおきています。また、介護、育児のための離職によって世帯収入がおち、生活が逼迫しているという問題もあるのです。

介護保育者が一番欲しいと思っているのが「保育施設等の量的拡充」と「費用負担」。保育、子育てへの施策は「保育園」いう社会資源しかなく、高齢者のための社会資源はそれなりに種類があります。

例えば保育園で高齢の親族の介護をしている保護者を把握し、声かけを行うというのも一つの手です。「自分が頑張らなれば」と思っている人は、支援を拒否することが多いのですが、やはり「誰かに認めてもらえる」というのは励みになります。

待機児童をはじめとした保育を取り巻く課題

保育に関しては「待機児童」の問題もあり、ダブルケアをしている人は「子どものための施設が欲しい」と思っています。施設そのものが全く足りないというのは保育も高齢者も同じ。しかし、高齢者の場合介護度が判定されたあとケアマネジャーによって、在宅や通所施設のサービスが開始されます。

一方で保育の方は、「保育園落ちた」場合、仕事を辞めるか無認可保育園に通わせるかの二択しかないのが現状です。このため、働けないことによって足りなくなった分の手当が必要だと思います。保育には、あまり細かい支援の種類がありません。しかし、一時保育や親が急に倒れた時などのために、ニーズに合わせた形態の施策が必要だと思います。

ショートスティは障害者施設で経験があるのですが、これは、問診票の情報と本人をみることで得られる情報を、職員同士ですばやく対応方法を共有し、できる限り子どもに合った支援をしなければなりません。これはかなり経験がないと難しいのですが、高齢者のためのショートスティはやっているので、保育サービスの一つとして行うと介護保育者の負担は軽くなると思います。

仕事を取り巻く環境と要望

「仕事」についてはどうでしょうか。夜遅くまで働いていたら、子どもでも親でも世話をすることができません。ダブルケアをしている人が勤め先に対して望むことには、「子育てや介護のために一定期間休める仕組みが欲しい」、「残業を減らしてほしい」「在宅ワーク」などが挙げられていました。

しかしまだ、子育てや介護のために仕事へのウェイトを減らすことについて、寛容ではありません。これは、まず管理職が動かなければ無理でしょう。

以前勤めていた職場で、「この日は子どもの運動会だから休む」といった管理職がいました。これを聞いて最初は「え?」と思ってしまいましたが、上司がまず動くことが大切。勤務時間中はとても集中してやり、早い時間に帰る。このような上司なら部下も家族のために使う時間がとれます。どうしても本人が出勤しないとできないこと以外は、親や子どもの病気や事故などの不測の事態に対応できる職場にできるよう、オン・オフをはっきりした仕事のやり方でお互いをカバーできれば、もっと家族のための時間がとれるようになるでしょう。

家族と過ごす時間がとりやすいこと、保育に関して多様なサービスを提供できること、介護保育の全体的なサービス量を確保すること。難しいことですが、働きざかりの人が介護保育でつぶれないように、社会全体で支援していくことが必要です。

コメント[7

コメントを見るには...

このページの先頭へ