地域包括ケア病棟、回復期リハ病棟を議論 中医協・総会1

中央社会保険医療協議会 総会(第351回 5/17)《厚生労働省》

中央社会保険医療協議会・総会は5月17日、入院医療の診療報酬のうち、【地域包括ケア病棟入院基本料・入院医療管理料】と【回復期リハビリテーション病棟入院料】をテーマに議論した。このなかで日本医師会は、地域における病床機能の分化を推進する観点から、高度急性期機能を担う大規模病院が【地域包括ケア病棟入院基本料】の算定病床を設置する場合は、高度急性期医療の実施に制限を設けることなどを要望した。

【地域包括ケア病棟入院基本料・入院医療管理料】は、▽急性期を脱した患者の受け入れ▽在宅・生活復帰支援▽急性増悪など緊急時の受け入れ―の3つの機能を担う病棟・病床の評価として、2014年度改定時に創設された。【地域包括ケア病棟入院基本料】は200床以上の病院が病棟単位で、【同入院医療管理料】は200床未満の病院が病室単位でそれぞれ算定し、いずれも病床面積の広さと在宅復帰率要件(70%以上)によって、1、2の2つの区分がある。

地域包括ケア病棟の入院患者のほとんどは同じ病院の他病棟からの転棟患者であり、厚生労働省のデータでは、地域包括ケア病棟入院患者に対する転棟患者の割合が90%を超える病院は、全体の45%を占めることがわかっている(p317参照)。こうした傾向は【7対1入院基本料】の算定病棟を併設している病院においてより顕著で、7対1病棟がある病院はない病院に比べて、転棟患者割合が90%を超える病院の割合が高い(p318参照)。さらに2014年度入院医療等の調査によると、調査対象病院の9割以上が【地域包括ケア病棟入院基本料・入院医療管理料1】の在宅復帰率の基準である70%以上をクリア、同じく9割近い病院は病棟に専従または専任の退院支援職員を置いており、制度創設当初の急性期からの受け入れ、在宅復帰支援の役割を果たしている様子がうかがえた(p324~p325参照)。

地域包括ケア病棟、回復期リハ病棟ともアウトカム評価が論点に

こうした現状を考慮し厚労省は、▽地域包括ケア病棟に期待される3つの機能(急性期からの受け入れ、緊急時の受け入れ、在宅復帰支援)を踏まえた評価や、入院患者の状態や医療の内容に応じた適切な評価のあり方▽地域包括ケア病棟保有病院が設置している別の病棟との組み合わせや、地域における医療資源の違いの分析を踏まえた評価のあり方―について総会での検討を求めた(p328参照)。

一方、【回復期リハビリテーション病棟入院料】は、脳血管疾患、大腿骨頚部骨折などの患者に寝たきり予防と在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に行う病棟を評価する報酬。2016年度改定でアウトカム評価が導入され、リハビリの効果が一定水準に達しない場合は、疾患別リハビリの出来高算定が6単位までに制限される。1~3までの3区分があり、1、2については自宅退院の割合や退院時のアウトカム評価(日常生活機能の改善度)などの基準が設定されているが、最も点数の低い3には設定がない。厚労省が【回復期リハ病棟入院基本料】の論点として総会に示したのは、▽できるだけ早期からの集中的なリハの実施を推進するような評価のあり方▽リハの提供量だけでなく、アウトカムに着目した評価のあり方―の2点(p350参照)。

高度急性期病院の地域包括ケア病棟設置をけん制、日医

【地域包括ケア病棟入院基本料・入院医療管理料】について松本純一委員(日本医師会常任理事)は、大病院と中小病院で対応を区別するよう要請。「軽度から中等度の患者を診る中小病院については入院医療管理料を算定しやすくする一方で、高度急性期機能を担う大病院が地域包括ケア病棟を持つ際には高度急性期機能に制約を設けるべきだ」と述べた。幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「患者が回復期病棟に期待するのは自身の身体機能と生活機能の改善。アウトカム指標としての在宅復帰率は個別患者にはあまり関係ない」と指摘し、地域包括ケア、回復期リハ病棟の双方に、患者の視点に立った新たなアウトカム評価の導入を要請した。

なお、同日の総会には、2回にわたって実施された、中医協と社会保障審議会・介護給付費分科会の委員による「医療と介護の連携に関する意見交換」の結果が厚労省から報告された(p266~p293参照)。



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