財務省「訪問・通所は利益率高い」 介護報酬改定へ論点 機能訓練なしの減算も

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《 左:会合後に会見する土居慶応大教授 》
国の財政を議論する「財政制度等審議会」の20日の会合で、財務省は今後の社会保障制度の改革を俎上に載せた。

当面の大きな焦点の1つとなる来年度の介護報酬改定にも言及。訪問介護や通所介護の利益率が高いという見方を示し、その報酬のさらなる引き下げを検討することの必要性を指摘した。加えて、機能訓練に力を入れていない通所介護を減算の対象にすべきと提言している。

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財務省はこの日、トータルでマイナス2.27%とされた前回改定の影響を探った調査(2016年度経営概況調査)の結果を紹介した。厚生労働省が昨年末に公表したもので、施設・事業所の2015年度の経営状況を明らかにしている。それによると、全21種類のサービスのうち16種類で収益が悪化していた。利益率の平均は改定前の前年度より1.1ポイント低い3.8%。中小企業の平均(2014年度:3.6%)とほぼ同じレベルだった。

訪問介護は5.5%、通所介護は6.3%。財務省はこうした結果を取り上げ、「在宅サービスの利益率は高水準にとどまっている」と説明した。そのうえで、「引き続き適正化すべきことは実施」と主張している。

会合後に会見を行った慶応大学の土居丈朗教授は、「今後の調査を見てからでないと踏み込めないが、できるところはしっかり効率化してもらうことが必要」と述べた。厚労省は現在、昨年度の経営状況を把握するための新たな調査を準備している。結果が出るのは今年10月。次の改定もこれまでと同じく、直近の動向を表すデータが重要なカギを握りそうだ。

「供給が需要を生む構造の排除を」

「基本報酬の減算措置も含めた適正化を図るべき」。通所介護は今回も変革を迫られている。「機能訓練などの自立支援・重度化防止に向けたサービスがほとんど実施されていない場合」に適用すべきという。基本報酬の高い小規模な事業所ほど、「個別機能訓練加算」の取得率が低い現状も課題だとしている。

財務省はこのほか、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームについても問題を提起した。外部のサービスが過剰に提供されている可能性があるとして、実態を詳しく調べるよう求めている。「供給が需要を生む構造の排除」も要請。「ケアプランの検証などにより真に必要なサービスの利用を徹底すべき」と訴えている。

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