改正個人情報保護法で医療・介護関係者向けガイダンス公表

医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(4/14)《個人情報保護委員会、厚生労働省》

今回のポイント
●個人情報保護委員会と厚生労働省は4月14日、改正個人情報保護法の施行に先立ち、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」を策定し、公表した
○改正法では、健康保険者証の記号、番号などの「個人識別符号」が含まれる情報を個人情報に位置づけるとともに、特に慎重な取り扱いが求められる「要配慮個人情報」の類型を新設
○ガイダンスはこれら情報の医療・介護関係事業者における取り扱い方法や、第三者に提供する際の手続きなどを具体例を交えてわかりやすく解説

個人情報保護委員会と厚生労働省は4月14日、改正個人情報保護法の2017年5月30日からの施行に向け、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」を策定・公表した。改正個人情報保護法では、健康保険証の記号・番号に代表される「個人識別符号」が含まれる情報を個人情報に位置づけるとともに、特に慎重な取り扱いが求められる「要配慮個人情報」の類型を新設。ガイダンスは医療・介護関係事業者における、これら情報の取り扱いなどについて、具体例を交えながらわかりやすく解説している。

改正個人情報保護法では、取り扱い個人情報件数5,000以下の事業者を対象外としていた従来の規定を廃止。ほぼ全ての事業者が規制対象事業者となった。ガイダンスは、医療・介護関係では病院、診療所、薬局のほか、居宅サービス事業者や介護保険施設なども対象になることを示した(p4~p5参照)。これら事業者が取り扱う情報で個人情報に当たるのは、診療録、処方せん、看護記録、紹介状、エックス線写真、ケアプラン、提供した介護サービス内容の記録―など(p10参照)。新たに追加された「個人識別符号」の例では、健康保険の被保険者証や高齢受給者証の記号、番号、保険者番号などをあげ、これらが含まれる情報が個人情報に該当することを明記した(p12参照)。

要配慮個人情報の取得は本人からの事前同意取得が原則

改正法は、人種、信条、病歴など不当な差別や偏見が生じる可能性のある個人情報を「要配慮個人情報」と定義し、厳格な取り扱いルールを設けた。医療・介護分野では診療録や介護関係記録に記載された病歴、診療や調剤の過程で医療従事者が知り得た診療情報、調剤情報、健康診断の結果および保健指導の内容、障害の事実―などが該当。要配慮個人情報の取得は原則として本人同意が必要になる(p13参照)。医療機関の受付などで、患者が問診票に記載する自身の身体状況や病状も要配慮個人情報に該当し、本来は同意取得の対象。だが、受診という行為自体が医療機関による要配慮個人情報の取得を前提としていることから、当該情報の利用目的を院内掲示などで公表、または患者に通知していれば、改めて同意取得する必要はない(p26参照)。

医療・介護関係事業者には、個人情報の利用目的をできるかぎり特定し、院内掲示などの形で公表する義務が課される。ガイダンスは通常業務で想定される利用目的例として、▽患者に提供する医療サービス▽医療保険事務▽審査支払機関へのレセプトの提出▽医療サービスのうち他の病院、診療所、介護サービス事業者との連携▽他の医療機関からの照会への回答―などを列挙。これらを参考に業務上必要なものを特定して公表するよう促した(p19参照)(p69~p70参照)。

第三者提供時の本人同意、法令に基づく場合などは適用対象外

個人情報(要配慮個人情報を含む)を第三者に提供する場合は、本人からの事前同意が必要になる。ただし、(1)医療法に基づく立ち入り検査や児童虐待に係る通告など法令に基づく場合、(2)意識不明の患者の病状を家族に説明する際など、人の生命、身体の保護のために必要な場合で本人の同意取得が困難なとき、(3)地域がん登録など公衆衛生の向上のために必要で本人の同意取得が困難な場合―などは適用から除外される。また、▽検査等の業務を委託する場合▽外部監査機関への情報提供▽個人データを特定の者と共同利用する場合(あらかじめ本人に通知している場合に限る)―などのケースは、第三者への提供に該当せず、同意の取得は不要(p35~p36参照)。

なお、特定配慮個人情報以外の個人情報についてはオプトアウトによる本人の同意なしでの第三者提供が可能だが、特定配慮個人情報はオプトアウトが禁じられている(p13参照)。

※オプトアウト・・・・あらかじめ本人に▽第三者への提供を利用目的とすることとその対象項目▽第三者への提供の方法▽求めに応じて提供を停止することと本人の求めを受け付ける方法―を通知、あるいは本人が容易に知り得る状態に置いてあり、個人情報保護委員会に届出している場合は、本人の同意なしに個人情報を第三者に提供することができる仕組み。



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