特養の25%超に空床 人手不足で受け入れに支障 待機者が減少している地域も

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《 左:6日の報告会 》
特別養護老人ホームのおよそ4分の1が空床を抱えている――。そんな調査の結果を6日にみずほ情報総研が公表した。退所などで生じた一時的なものも含まれるが、人手不足や待機者の減少を理由にあげているところも少なくない。取りまとめを担った淑徳大学の結城康博教授は、「貴重な介護資源が効率的に使われていない可能性がある」と指摘。「本当はどれくらいのニーズがあるのか、改めて詳しく調べ直すことも必要」とも提言した。

この調査は、厚生労働省が費用を助成する「老健事業」の一環。約52万人の待機者がいる(2014年3月集計)と報告された特養の現状を把握し、今後の施策に活かしていくことが目的だ。開設後1年から10年の1,151施設が対象で、昨年の11月から12月にかけて実施された。有効な回答は47.8%の550施設から得ている。

それによると、空床が「ある」としたのは26.0%の143施設。東京23区や政令市などの都市部は31.1%で、それ以外の地方(24.4%)と比べて高い傾向がみられた。

主な要因は2つ。ひとつは施設の体制だ。空床があった143施設のうち、51.7%にあたる74施設で問題が見つかった。「職員の採用が困難」「職員の離職が多い」。複数回答で72施設(74施設中)が選び、人材の枯渇が受け入れに支障をきたしている実態が明らかにされた。「医療的ケアに対応できない」との声も目立っている。

もうひとつは需要だ。入所を希望する高齢者が少なく、スムーズに見つからないことがあるという。空床があったところの37.8%、全体の9.8%にあたる54施設が答えている。考えられているのは、すでに高齢化のピークを過ぎた地域が出てきていること。54施設の内訳をみると、約8割の43施設が東京23区や政令市などを除いた地方にある。このほか、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームなどの建設が進んだこと、原則として要介護3以上に利用が限定されたことなども影響しているとみられる。

「ケアマネは地域の状況の確認を」

もっとも、各施設のベッドの稼働率は高い水準を維持しており、必ずしも常に多くの空床がある訳ではない。結城教授は6日の報告会で、「介護資源をより有効に活用できる余地が残っているところもあるはず。空床がさらに増えていけばその分ムダも膨らんでしまう。各サービスの整備を計画する際には、マンパワーも含めてそのバランスに気をつけることが重要」と語った。加えて、「待機者が減っているところは実際にある。ニーズは偏在しているようだ。より本格的な調査の必要性が浮き彫りになった」と説明。「ケアマネジャーなどの関係者には、特養はどうせいっぱいで入れないと決めつけないでもらいたい。それぞれの地域の状況を確認したうえで対応すれば、うまく入所につなげられる可能性がある」とも呼びかけた。

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